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第35話

「食材があまりないからコンビニに行ってくる」 平蔵は冷蔵庫をパタンと閉めながら二人に言う。 「あ、俺が行くよ」 広瀬はポケットの中から財布を出す。 「いや、お前、客だろ?俺が行くから」 「平蔵こそ、お前が行ったらみーくんが寂しがるだろ?な、みーくん」 みーくんの方をチラ見しながら広瀬は言う。 すると、みーくんが広瀬の腕を取り、平蔵の側に。そして、平蔵と広瀬と交互に指をさして、その次に自分を指さす。 「えっ?3人で行くって事?」 平蔵がそう言うとみーくんは頷く。 「外……出れる?」 広瀬は心配そうだ。 みーくんは笑顔で頷く。大丈夫といいたげに。 「じゃあ、3人で行くか?」 平蔵も心配してしまったけれど、ずっと部屋の中にいるのも可哀想だと思った。 それに自分と広瀬もいるし、みーくんがここに居るとは気付かれてはいないだろうとは思う。 3人で外へ出た。 みーくんと初めて出会ったコンビニ。 歩いて直ぐなのでみーくんを真ん中にして横並びに3人で歩く。 歩道が広いから出来る事。狭かったら、平蔵か広瀬を前に後ろも2人のうちどちらかでみーくんを守ればいい。 コンビニの駐車場に悪そうな男の子達がたむろしている。 平蔵をみて、男の子達は軽く会釈する。 「お前、ビビられてんじゃね?」 クスクス笑う広瀬。 「ビビってないだろ?普通に挨拶してるだけだ!あの子達だって根はいい子なんだよ、家庭が複雑なだけでさ」 平蔵は男の子達にヒラヒラと手を振りコンビニの中へ。 「みーくん何食べたい?」 平蔵に聞かれたみーくんはおでんを指さす。 「おでんか……みーくん好きだもんな、じゃあ、おでんにしようか」 平蔵はみーくんに好きな具材を指さしさせて注文する。 広瀬は飲み物を取りに行く。 「お菓子は?選んでいいよ」 みーくんに言うとアイスを嬉しそうに持ってきたみーくん。 「みーくんはアイス好きなのか?」 頷くみーくん。 「なんか、お父さんと子供みたいだな」 2人の会話を見ながら笑う広瀬。 「失礼な!!」 怒りながら会計をする平蔵。 コンビニは楽しそうだったみーくん。 平蔵はみーくんをもっと外に連れ出してあげなきゃな……と感じた。 怖いものを排除しないとみーくんは外に安心して出れない。 部屋につき、3人でおでんを食べる。 「みーくん、今度公園行こうか?」 玉子を食べながら少し困った顔を見せるみーくん。 「大丈夫、俺と広瀬がみーくんを守るよ……怖くなくなるまでずっと守ってあげるから外に出るのを頑張ってみよう」 平蔵はみーくんの頭を撫でる。 みーくんは少し考えて頷いた。 「よし!偉いぞ、今日はコンビニに行けたからな……これからも大丈夫だよ、俺がいるから」 その言葉にみーくんは嬉しそうに微笑んだ。

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