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第36話
◆◆◆
「みーくん風呂」
1日なんてあっという間で気付けばもう寝る時間。
昼間、広瀬も来て楽しかったからみーくんはいつもよりはしゃいでソファーでウトウトしていた。
平蔵もウトウトしているみーくんに気付き近寄る。
「みーくん、風呂は朝入るか?」
頭を撫でながら聞くと平蔵の首筋に両手を回してきた。
「眠い?」
そう聞くと頷くみーくん。
平蔵はそのままみーくんを抱き上げた。
相変わらず軽いみーくん。
「みーくんはもっと食べた方がいいな、軽い」
そんな事を言いながら寝室へ。
ベッドへ下ろすが離れない。
「こら、みーくん、ベッドについたぞ」
声をかけても離れないので「みーくんは甘えん坊だな」と言いながら平蔵も一緒にベッドへ横たわる。
甘えん坊でまだ子供なみーくん。
みーくんと同じ年頃の子供達はきっと学校へ行き、友達と遊び、恋愛して……勉強もして。
平蔵も学生時代は楽しんだ方だ。広瀬と悪さばかりして……友達も多くて毎日が24時間じゃ足りないくらだった。
でも、みーくんは……独りぼっちで言葉を封印して、本来ならあるはずの青春という甘酸っぱいものを体験出来ていない。
「なあ……みーくん。外が怖くなくなったら……学校とか行ってみないか?」
その言葉でみーくんは驚いたように顔を上げた。
「みーくんはもっと色んな事を体験していいんだよ?普通の若い子達と同じように」
頭を撫でながらに言う平蔵。でも、みーくんは悲しそうに首を振る。
「何度も言うけど……みーくんは何も悪くない?だ。悲しい事もあったけれど、それをみーくんが全部背負わなくていいんだよ?」
みーくんに優しく微笑む平蔵。
みーくんは平蔵にぎゅっとしがみつく。まるで平蔵が居ればいいという感じで。
「少しづつ慣れていこうな……大丈夫、俺がついてるし、みーくんは強い子だから」
平蔵はみーくんの身体をきつく抱きしめる。
みーくんは顔を上げると平蔵の唇にキスをした。軽くチュッと。
「こら!こういう事ばかり覚えて……ほら、もう寝なさい」
笑いながらに言うとみーくんは今度は平蔵の首筋にキスをする。
「だーかーらー!!我慢できなくなるだろ?オッサンでもこーゆー時ムラムラするんだから」
平蔵はみーくんを引き離す。
みーくんは平蔵を熱く見つめている。誘うような瞳。
「みーくん寝るんだろ?」
頭を撫でると首を振る。
「じゃあ、風呂入るか?」
みーくんは頷くと平蔵の手のひらに自分の手を重ねて指を絡ませる。
「一緒に入れって事?」
その質問に頷くみーくん。
「……誘ってる?」
平蔵は分かっている事を質問する。みーくんがかなりの色気を出して自分を誘っている事に気付いている。
みーくんは潤んだ瞳で平蔵を見つめ、ゆっくり頷く。
「みーくんはずるいな……俺が我慢出来ない事を良く知ってる」
平蔵は起き上がると上に着ている服を脱ぐ。
そして、みーくんの上に覆いかぶさると彼のやわらかい唇にキスをする。
もちろん、軽いキスではなくて直ぐにみーくんの口内へ舌を入れる。
みーくんの舌を捕まえて自分のを絡ませる。絡ませながらみーくんの服の中へ手を入れる。
みーくんも自分の舌を平蔵の舌へと絡ませ、そして両手は平蔵の首筋へと巻つかせた。
しばらく興奮したような濃厚なキスを繰り返し、平蔵は離れた。
「風呂……入ってから続きしよう」
みーくんはその言葉に頷く。
◆◆◆
みーくんを抱き上げて風呂へ連れていきながら、平蔵は『こんな子供に欲情するなんて……俺ってこんなに変態だったっけ? 』なんて考えていた。
それだけみーくんの色気は凄いのだ。
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