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第38話

◆◆◆ 浴室から出てタオルでみーくんを拭こうとするが平蔵に抱き着いてきて拭く事がなかなか出来ない。 まるで動き回る子供を拭く親になったみたいだ。 「こら、みーくんいい子にして」 髪にタオルを置いて拭こうとするが平蔵にキスしてきた。 全く……この子は……エロくて困る。なんて思いながらも顔が緩んでいる事を平蔵は気付いていない。 なんとかみーくんを拭くと抱き上げて寝室へ。抱き上げると大人しくなるみーくんを可愛いと思った。 首筋に抱き着いてくる。 2人とも裸だから肌がピタリとくっついて温かさを感じる。それがみーくんは心地良いのだろうかスリスリと顔を擦り寄せてくる。 こんな風にスリスリされたらムラムラが高まってしまう。 みーくんをベッドに降ろすと平蔵は我慢出来ないようにキスから始まり……みーくんの身体をキスしまくる。 キスされる度にみーくんから吐息が漏れて……もっと鳴かせたいと思ってしまう。 白くて綺麗な肌に吸い付き赤い印をつけていく。白い肌に花が咲いたようだ。 みーくんは平蔵にされるがまま……。 「みーくん……」 愛しく彼の名前を呼ぶ。平蔵もみーくんから名前を呼んで欲しいけれど、無理はさせたくない。 怖くなくなって安心出来るようになればきっと声が聞けるはず。 でも、耳元で「抱いて」と言ったと……何故に俺は寝ていたんだあ!!と勿体無いと思う。いや、そもそも聞こえにくいから、例え起きていたとしても聞こえなかったかも知れない。 みーくんの下半身へ手を伸ばすと彼は両脚を自ら開いてくれる。本当に大胆というか積極的というか……。 でも、平蔵の下半身は限界ではち切れそうだ。 つい、さっき、みーくんの可愛いお口で刺激されたのだから我慢汁が先端から滴っている。 みーくんのアナルはさっきほぐしたし……ローションを塗って挿れやすく……とローションを探すが無い事に気付いた。 探しに行く……という選択よりも舐めて濡らすという選択を選んだ平蔵はみーくんのお尻を高く上げると「みーくん、少し我慢しろ」と身体を曲げるように開かせた太ももを両方の手で押さえ、小さな穴へ舌を這わした。 「あっ!!」 突然、舐められたからみーくんの身体がビクンと動く。 入口近くの舌はあっという間にみーくんの中に。 平蔵の舌が入ってくる……それだけでみーくんはゾクゾクした。 恋焦がれた相手とセックスしている。 こんな幸せな事ってある? 幸せを感じていいの? 僕は……人を不幸にするのに? 好きな人に抱かれる幸せと罪悪感が同時にくる。 「みーくん……」 名前を呼ばれて……下半身の気持ち良さが消えていた。 瞑っていた目を開けると平蔵の顔が近くにあった。 「こんな風にされるのは嫌だった?」 平蔵の手のひらが頬を撫できた。 急にどうしたのだろう?と思ったけれど、自分が泣いている事に気付いた。 みーくんは首を振り、平蔵の手のひらに『いやじゃない、ただ、しあわせでいいのかな?って 』と指先で書いた。 「馬鹿な子だな……いいんだよ?誰がダメって言うんだい?」 誰が……ダメと言うのだろう?祖父は言わない優しいから。 両親も……きっと。死んじゃえって言ってしまった友人はその事さえ覚えていない。 じゃあ、誰がダメと言うと思ったのだろう? 答えは……自分自身だ。 「みーくん、いいんだよ幸せを感じても、だって、自分にはもう充分な罰を与えているだろ?言葉を封印するって……言葉を封印するって辛い事なんだぞ?世間と関係をたってしまうし、好きな人に好きと言えないのだから」 平蔵の言葉にみーくんはポロポロ涙を零して抱き着いてきた。 「みーくんはいい子だよ……みーくんがどんな子でも俺はみーくんが好きだ」 平蔵はみーくんの耳元で囁く。 顔を胸に埋めていたみーくんは顔を上げると平蔵を見つめる。 「好きだよ……愛してる」 平蔵はみーくんのおでこにキスをした。

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