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第45話
◆◆◆
イチャイチャな休みを過ごしてからの仕事はかなりソワソワしてしまう平蔵。
「社長、何ソワソワしてるんですか?」
部下に言われるくらいだったし昼休みになれば部屋に戻ってみーくんを充電したい!!とか思ってしまう。
「社長、お客様ですよ」
ソワソワしている平蔵に部下からの言葉。何故だろう?みーくんだと思ってしまう。来るわけがないのに。
でも、急いで行って……「なんだ……広瀬か」と勝手にガッカリしてしまう。
「なんだとはなんだ!」
ムッとしている広瀬。そう、彼には罪はない。勝手にみーくんだと妄想した平蔵が悪いのだ。
「あ……ごめん」
直ぐに反省して謝る。
「なんとなく、ガッカリした理由は分かるけどな」
ニヤニヤする広瀬。
「みーくんが来るわけないだろ?会社まで」
「うっ、」
妄想を言葉にされるとなんか情けない。恋する乙女かよ!!と自分を殴りたくなる。
「まあ、みーくんの事だけどね」
「えっ?みーくんどうかしたのか!!!」
平蔵は慌てた顔で広瀬の両肩を掴む。
「お前、本当重症だな、落ち着けよ」
広瀬からも肩を掴まれた。
「みーくんの事を狙ってる輩の事だよ」
「ああっ、何か進展あった?」
どちらにせよ、みーくんの事ではある。そして、危険なのは変わらない。
「まだ、みーくんの居場所はバレてはいないけど、……なんか急に大人しくなってしまってるから不気味だ」
「大人しく?」
「あの……良かったら奥で話されては?」
広瀬との会話に部下が入ってきた。
受付の真ん前で野郎二人が互いの肩を掴んだまま真剣な顔で話しているとどうも周りは落ち着かないものである。
「外に出てくるよ」
平蔵はそう言うと広瀬と会社をでた。
◆◆◆
近くのコーヒーショップで持ち帰りのコーヒーを買い、適当にベンチに座る。
「お前、部屋に戻りたいんじゃないか?ソワソワしてる」
クスクス笑う広瀬。
「うるさいよ!悪いかよ!」
「いんや、悪くない!恋する青少年って感じで初々しい」
「オッサンに似合わない言葉やめろ!」
「オッサンも恋すると可愛くなるっていいよな」
広瀬は平蔵をニヤニヤしながら見ている。
しばらくはこのネタでからかわれるのか……と覚悟を決める平蔵。
「話の続き……」
「ああ、そうだったな」
広瀬はみーくんを狙う叔父達一派の話をした。
諦めたのかまだ諦めていないのか……みーくん探しは中断しているらしいとの情報だった。
このまま諦めて欲しいと思う平蔵だ。
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