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第47話
どの服もみーくんに似合うものだから平蔵はどんどん彼の服を買っていく。
「買いすぎだろ?」と広瀬に笑われた。
「だって、みーくん何でも似合うから」
平蔵は嬉しそうに笑う。みーくんが外に出てくれて嬉しいのだ。
これからもっと色んな所に連れて行ってあげたい。きっと、彼は家に閉じこもってばかりだったと思うから。
外の風景は綺麗でこんなにも楽しいと知って欲しい。
みーくんの生活雑貨を沢山買って部屋に戻る。
「みーくん、お腹空いただろ?直ぐに作るよ」
荷物を置いてみーくんに声をかける。
「寝てるよ」
広瀬が小声で教えてくれた。広瀬の言う通り、ソファーに倒れ込んで寝ているみーくんが居た。
「連れ回しちゃったからな」
平蔵はみーくんの側に行くと頭を撫でる。
「でも、楽しそうだったよ、みーくん」
「そうかな?」
「そうだよ……これから、外に出れるようになるといいな」
「うん」
平蔵はみーくんを抱き上げると寝室へと運んで行った。
広瀬の言う通り……外が怖くなくなればいい。沢山外に出れるようになるといいなって願う。
◆◆◆
広瀬と3人で出かけた日、以来、少しづつ、みーくんは外に出れるようになってきた。
もちろん、まだ1人では出れないのだが、平蔵も1人ではみーくんを外に出すつもりはない。
みーくんを狙っているかも知れないから。
なんとか安心させてやりたいけれど、どうすればいいのかが分からない。
みーくんを連れて外国に住むっていうのもありかな?とは思うけれど……それでは解決になるのは思えない。
どうしたものか……と考えている内に時間は過ぎてゆき、そして事件は起きるのだ。
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