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第2話
とりあえずは靴をと思った。
コンビニから歩いて10分程だが深夜の道路は冷えていて冷たい。
しかも、薄着。シャツ1枚にジーンズ。そして裸足。
どうしたのだろうか?
こんな時間に裸足で……色々と考えてしまうが、平蔵はおでんが入った袋を交互に持ち替えて上着を脱ぐと「寒いから着とけ」と肩からかけた。
そして、自分は靴下履いているからいいやと靴を脱ぐと「これも履け……オッサンのは履きたくないかもだけど、あ、水虫はないぞ?何よりマシだろ?」と足元に置いた。
すると、平蔵の足元を指さす。きっと心配してくれているのだろう。
「俺は靴下履いてるからな……俺んちまで10分くらいだけど、冷たいだろ?ほら、履け」
平蔵が促すと素直に靴を履いてくれた。
「じゃあ、こっち」
案内しながら歩いてデカいマンションに着いた。
「ほら、来い……って、本当に何もしないから……あ、こういう事言う奴に限って何かするもんな、ここで待ってろ靴持ってきてやる」
マンションの入り口で一人で部屋へ戻ろうとすると、後ろからついてくる。
警戒心ない子だな?と逆に心配になる。
他の野郎ならレイプされるぞ?大丈夫か?この子?
部屋について、鍵をあけようとした瞬間に後ろでドサっと音がして振り向いた。
「おおおお!!」
なんと、倒れているのだ。
「マジかよ」
平蔵は鍵を急いであけるとドアを開けたまま固定。おでんの袋を玄関に置き、倒れた子を抱き上げた。
軽い……。
女の子だからか?凄く軽い。
部屋に運んで……ソファーに寝かせた後に救急車の方が良かったか?とスマホを手にするとぐーっと腹の虫が聞こえてきた。
んん?自分ではない。
あれ?じゃあ、誰?と思うとソファーに寝かせた子が起き上がった。
腹の虫はこの子か……。
平蔵はおでんの容器を渡して「食え」と言った。
すると、ガツガツと食べ始めて。まじかよ、腹減ってんのかよ……と冷蔵庫を覗く。
あるのはアルコールとハム。明太子……酒のツマミばかりだ。
おにぎりとか買えば良かったなあ。
平蔵は「コンビニ行ってくるから待ってろ」と財布と車の鍵を手にする。
きっと、足りないだろう。
いつもは歩くのだが急ぎなので車に乗った。
おにぎりやらカップラーメンやらカゴに入れると会計をすませて急いで戻った。
すると、おでんを綺麗にスープまで飲み干してソファーに寝ていた。
無防備だなあ……。若い女の子が。
起こそうかと近付くとシャツの隙間から胸が見えて……一瞬、やばい!みてないから!!と心で謝罪して……気付く。胸ペッタンコ。
乳首だけそこにある感じ。
10代半ばの女の子ってこんなに胸ない?なんて思ったがようやく眠っている子が男の子だと気付いた。
男の子かあ!!!
だから無防備についてきたのかな?
いや、男の子でもやばいだろ?
平蔵は寝ている男の子に近付き抱き上げた。
やはり軽い。
そして、そのままベッドへ運んだ。
ベッドに運んで足の裏の汚れを落とそす為にお湯を沸かす。
タオルをお湯に濡らして足を拭く。
着替え……どうしよう?
ジーンズじゃあ、寝にくいよなあ。
でも、勝手に脱がせるのはルール違反だ。
仕方ないかな?とシーツをかぶせて、そのまま寝かせた。
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