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第6話

◆◆◆◆ 「よお!」 荷物を持ってやってきたのは平蔵の友人の広瀬。 「悪いな」 「いいよ、別に」 広瀬は荷物を持ったまま部屋に上がった。 「……お前、これは犯罪だろ?」 みーくんを見た一言めがこれだった。 「なんだよ犯罪って」 平蔵は広瀬が持ってきた朝飯の袋をテーブルに置く。 中身はサブウェイのサンドイッチだ。 「サンドイッチ食べれるか?」 みーくんに渡そうすると、ぎゅっと腕にしがみついてきた。 広瀬が怖いようだ。 「あれは怖くないぞ?友達の広瀬勘太郎って言って、無害だ」 みーくんに説明をする。 広瀬も怖がっているのが直ぐに分かり、みーくんの前に手を出すとパチンと指を鳴らし、次の瞬間金色のコインを出した。 みーくんはそれを見て少し驚いたように広瀬を見ている。 「ほら、これ、チョコレート。あげるよ」 みーくんの目の前に金色のコインを差し出す。それをおずおずと取るみーくん。 「広瀬は手先が器用なんだよ」 「マジックって言えよ」 2人の会話を聞いて、少し警戒心が解けたのか平蔵から手を離した。 「名前は?」 「みーくん」 広瀬の質問に答えたのは平蔵。 「みーくん?」 ハリネズミの名前だと知っている広瀬は怪訝な顔をした。 「みーくんなの?」 広瀬が確認すると頷くみーくん。 「ほら、みーくん食べなさい!昨日はおでんだけだったろ?」 広瀬が持ってきたサンドイッチを全部みーくんに渡す。すると、みーくんは平蔵の服をくいくい引っ張ってサンドイッチを1つ取り、平蔵に渡そうとする。 「いいんだよ、それはみーくんの分だから」 平蔵はみーくんの頭を撫でる。 「俺はおにぎりとカップラーメンあるからな!これ、好きなんだよ!」 平蔵は笑顔でカップラーメンをみーくんに見せる。 「みーくんも食べた事あるか?」 するとウンウンと頷く。 「そっか!美味しいよな」 それにも頷くみーくん。 ああ!!可愛い!! ってドキドキが止まらなくなる。 やばい、不整脈かもしれん!!医者に見て貰おう。 みーくんは安心したようにサンドイッチを食べている。 それを見届けて平蔵はキッチンでお湯を沸かしてカップラーメンを作る。 すると、広瀬が側きた。 「あの子訳あり?」 「多分」 小声で会話をする。 「喋れないのか?」 「それは分からない……ただ、警戒して喋れないだけかも知れないし、本当に喋れないのかもだし」 「そっか……でも、あの子未成年だろ?保護者は?」 「まだ、分からない……コンビニの駐車場で座り込んでたんだ……薄着で靴も履いていなかった」 「……なんか、どこからか逃げてきたって感じだな、それだと」 「そうかも……」 チャイムが鳴った時に怯えたみーくんを思い出す。 何かあって逃げてきたのかもしれない。

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