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第24話
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平蔵は午前中は仕事をした。
みーくんは家事をやってくれている。
せっせと洗濯物を手にベランダに向かう彼の後ろ姿は可愛らしい。
洗濯が終わると掃除。
楽しそうに家事をするみーくん。
仕事しなければいけないのについつい、みーくんを視線で追ってしまうのだ。
正午になった。
「みーくんお昼食べようか」
正午になった頃には家事をおわらせていたみーくんはコクンと頷く。
「何食べたい?」
みーくんは平蔵を指さす。
「俺?俺は……」
平蔵はみーくんだと言いたいのを我慢して「俺はおでんかな?」と言った。
するとみーくんも頷く。
「みーくんもおでんがいい?」
コクン、コクンと頷くみーくん。
「コンビニで買ってくるから待ってて」
平蔵は財布を出すと玄関へ。みーくんも後ろからついてくる。
「直ぐ帰ってくるよ」
見送るみーくんの頭をクシャクシャと撫でた。
平蔵が行こうとするとツンっと洋服が引っ張られた。
振り向くと何だか寂しそうなみーくん。
「一緒に……」
行こうか?と言おうとしたが彼が今朝、嫌がったのを思い出して言葉を飲み込んだ。
「アイスも買ってくるよ」
みーくんは小さく頷く。
「早く帰ってくるから」
平蔵はまたみーくんの頭を撫でて、外へ出た。
少し後ろ髪を引かれる。
みーくんは外に出たがらない。何かあるんだろうかなあ……。
平蔵はコンビニまで歩き、駐車場が目に入った時にみーくんが座り込んでいた場面を思い出す。
小さくまるで消えそうな感じでここに居て、声をかけると……驚いたような……怖がるような?
でも、直ぐにその怖がる顔は消えた。
裸足に薄着だったみーくん。
まるで着の身着のまま……靴も履かずに……逃げてきた?そんな印象だった。
家出なら多少は荷物なりなんなり持っていても良さそうだけど。
それともニュースでたまに見る虐待されて逃げたしたとか?
みーくんは話さない。話せないのかも知れないけれど。
広瀬に貰った書類はみーくんを調査して貰っているものだった。
家出人の届けは出て居なかった。
広瀬がしれっと情報を手に入れてくれたのだ。読んだ後は直ぐにシュレッダーにかけた。
みーくんの家出に気付いていないのか……それとも別の?
平蔵はコンビニでおでんとアイスを買い、部屋に戻った。
玄関に入るとみーくんが座り込んでいた。
「みーくん!」
平蔵の声を聞いて嬉しそうに顔を上げた。
「ここで待ってたのか?」
頷くみーくん。
「ソファーで待っていれば良かったのに!玄関は寒い」
平蔵は慌てて靴を脱ぐとみーくんを連れてリビングへ。
おでんを置いてみーくんの身体に改めて触れると冷たい。
「風邪引いちゃうよ」
エアコンの温度を上げようとするとみーくんが抱き着いてきた。
「どうした?寂しかった?」
そう聞くと頷く。
平蔵もみーくんを抱き締める。
抱き締めたままみーくんとソファーに座る。
「みーくんおでん食べようか?」
うん、頷くみーくんは元気そうな顔を見せた。
留守番が嫌いなのかな?でも、外に出れないんじゃあ……。
おでんを食べるみーくんは美味しそうな顔でニコニコ。
箸の持ち方が本当に綺麗。
ちゃんとした家庭で育ったように見えるんだけど、何かあるのかな?
広瀬は……親父がアルコール依存症で母親はネグレクトだった。
いつもお腹を空かせていた彼。
箸の持ち方は平蔵の母親が教えた。
「みーくんって好き嫌いはあるかな?」
その質問に首を振る。
「そっかー、じゃあ、今夜は何か作るよ、広瀬も呼ぼうか?アイツに材料を買ってきて貰おう」
みーくんはニコニコ嬉しそうに頷く。
可愛いなあ。
素直だし……エッチだし。
ふと、積極的なみーくんを思い出した。
セックス……初めてじゃないよな?こんなに可愛いし……まあ、自分だってかなりの数をこなしているし……と考える。
平蔵は実際モテた。
学生時代から男女問わず。
だからといって、遊んだりはしていない。
チョコを沢山貰ったり、告白されたりは数えきれないほど。
みーくんもきっとモテたはずだ。
「みーくんエッチは初めてだったかなあ」
これは心の声だったはず……なのに、言葉に出してしまい、何て事をおおお!!と後悔しながらみーくんをチラ見した。
みーくんは平蔵の手のひらを取り『はじめてだった……へただった? 』と書いた。
「えっ?マジで!!」
嘘だろおお!!初めてかよおお!道理でキツいと思った……裂けちゃうかもって心配したから。
平蔵は焦った……初めての相手に野獣みたいにガッツいたから。
「お、俺が初めてでいいの?」
頷くみーくん。
このセリフはやる前に言うべきセリフだったと平蔵は思った。
『 へいぞう、すごくうまいからきもちよかった』
みーくんの書いた文字に照れる平蔵。
『 へいぞうがほしい』
思わずみーくんを見る平蔵。
みーくんは立ち上がると着ている服を脱ぎ始めた。
おおおお!!!
平蔵はドキドキしながらその光景をガン見していた。
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