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第24話

◆◆◆ 平蔵は午前中は仕事をした。 みーくんは家事をやってくれている。 せっせと洗濯物を手にベランダに向かう彼の後ろ姿は可愛らしい。 洗濯が終わると掃除。 楽しそうに家事をするみーくん。 仕事しなければいけないのについつい、みーくんを視線で追ってしまうのだ。 正午になった。 「みーくんお昼食べようか」 正午になった頃には家事をおわらせていたみーくんはコクンと頷く。 「何食べたい?」 みーくんは平蔵を指さす。 「俺?俺は……」 平蔵はみーくんだと言いたいのを我慢して「俺はおでんかな?」と言った。 するとみーくんも頷く。 「みーくんもおでんがいい?」 コクン、コクンと頷くみーくん。 「コンビニで買ってくるから待ってて」 平蔵は財布を出すと玄関へ。みーくんも後ろからついてくる。 「直ぐ帰ってくるよ」 見送るみーくんの頭をクシャクシャと撫でた。 平蔵が行こうとするとツンっと洋服が引っ張られた。 振り向くと何だか寂しそうなみーくん。 「一緒に……」 行こうか?と言おうとしたが彼が今朝、嫌がったのを思い出して言葉を飲み込んだ。 「アイスも買ってくるよ」 みーくんは小さく頷く。 「早く帰ってくるから」 平蔵はまたみーくんの頭を撫でて、外へ出た。 少し後ろ髪を引かれる。 みーくんは外に出たがらない。何かあるんだろうかなあ……。 平蔵はコンビニまで歩き、駐車場が目に入った時にみーくんが座り込んでいた場面を思い出す。 小さくまるで消えそうな感じでここに居て、声をかけると……驚いたような……怖がるような? でも、直ぐにその怖がる顔は消えた。 裸足に薄着だったみーくん。 まるで着の身着のまま……靴も履かずに……逃げてきた?そんな印象だった。 家出なら多少は荷物なりなんなり持っていても良さそうだけど。 それともニュースでたまに見る虐待されて逃げたしたとか? みーくんは話さない。話せないのかも知れないけれど。 広瀬に貰った書類はみーくんを調査して貰っているものだった。 家出人の届けは出て居なかった。 広瀬がしれっと情報を手に入れてくれたのだ。読んだ後は直ぐにシュレッダーにかけた。 みーくんの家出に気付いていないのか……それとも別の? 平蔵はコンビニでおでんとアイスを買い、部屋に戻った。 玄関に入るとみーくんが座り込んでいた。 「みーくん!」 平蔵の声を聞いて嬉しそうに顔を上げた。 「ここで待ってたのか?」 頷くみーくん。 「ソファーで待っていれば良かったのに!玄関は寒い」 平蔵は慌てて靴を脱ぐとみーくんを連れてリビングへ。 おでんを置いてみーくんの身体に改めて触れると冷たい。 「風邪引いちゃうよ」 エアコンの温度を上げようとするとみーくんが抱き着いてきた。 「どうした?寂しかった?」 そう聞くと頷く。 平蔵もみーくんを抱き締める。 抱き締めたままみーくんとソファーに座る。 「みーくんおでん食べようか?」 うん、頷くみーくんは元気そうな顔を見せた。 留守番が嫌いなのかな?でも、外に出れないんじゃあ……。 おでんを食べるみーくんは美味しそうな顔でニコニコ。 箸の持ち方が本当に綺麗。 ちゃんとした家庭で育ったように見えるんだけど、何かあるのかな? 広瀬は……親父がアルコール依存症で母親はネグレクトだった。 いつもお腹を空かせていた彼。 箸の持ち方は平蔵の母親が教えた。 「みーくんって好き嫌いはあるかな?」 その質問に首を振る。 「そっかー、じゃあ、今夜は何か作るよ、広瀬も呼ぼうか?アイツに材料を買ってきて貰おう」 みーくんはニコニコ嬉しそうに頷く。 可愛いなあ。 素直だし……エッチだし。 ふと、積極的なみーくんを思い出した。 セックス……初めてじゃないよな?こんなに可愛いし……まあ、自分だってかなりの数をこなしているし……と考える。 平蔵は実際モテた。 学生時代から男女問わず。 だからといって、遊んだりはしていない。 チョコを沢山貰ったり、告白されたりは数えきれないほど。 みーくんもきっとモテたはずだ。 「みーくんエッチは初めてだったかなあ」 これは心の声だったはず……なのに、言葉に出してしまい、何て事をおおお!!と後悔しながらみーくんをチラ見した。 みーくんは平蔵の手のひらを取り『はじめてだった……へただった? 』と書いた。 「えっ?マジで!!」 嘘だろおお!!初めてかよおお!道理でキツいと思った……裂けちゃうかもって心配したから。 平蔵は焦った……初めての相手に野獣みたいにガッツいたから。 「お、俺が初めてでいいの?」 頷くみーくん。 このセリフはやる前に言うべきセリフだったと平蔵は思った。 『 へいぞう、すごくうまいからきもちよかった』 みーくんの書いた文字に照れる平蔵。 『 へいぞうがほしい』 思わずみーくんを見る平蔵。 みーくんは立ち上がると着ている服を脱ぎ始めた。 おおおお!!! 平蔵はドキドキしながらその光景をガン見していた。

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