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第25話
綺麗な裸だなと思う。
色白で張りがあって……華奢だけどガリガリではなく適度に筋肉もある。
平蔵は筋肉モリモリ。
細い腰を昨夜は振っていたみーくん。
可愛くてエロい。
全裸になったみーくんは平蔵の服を脱がそうとする。
「自分で脱げるよ」
平蔵に言葉にみーくんは首を振り、脱がせる手を止めない。脱がせたいのだなと平蔵は好きにさせた。
上半身裸になるとみーくんは厚い平蔵の胸板に顔を寄せる。
心臓の音を聞いているのか耳を寄せている。
「ドキドキいってるだろ?みーくんが可愛くてエロいからドキドキしてる」
みーくんは頷く。
そして、平蔵の頭を自分の胸に持っていく。
みーくんの心臓も平蔵と同じくドキドキが激しい。
「みーくんもドキドキしてるね」
コクンと頷くみーくん。
平蔵の手のひらに『へいぞうのからだがかっこいいから 』と書く。
「鍛えてるからな」
『 どうして?』
どうしてと聞かれると困る……まあ、趣味みたいなものだし、強くなりたいと思ったのは広瀬が親から暴力を受けていたから守ってやりたいと思ったから。それがきっかけ。
「強くなれば大事なものを守れるだろ?」
みーくんは平蔵の顔をじっーと見つめる。
「みーくんも守りたい」
その言葉にパァと顔を輝かせた。
「みーくん行くとこないならずっとウチにいるか?」
その言葉にも嬉しそうな顔をする。
「みーくんが家に居てくれたら嬉しい。ただいまって言える相手がいるって幸せな事だから」
みーくんは頷いた。
「みーくん……聞いてもいい?みーくんの家族は?」
平蔵の質問にみーくんは俯いてしまった。
ああ、まだ聞いてはダメだったかな?と心配した。
でも、みーくんは平蔵の手のひらに『いない 』と書いた。
「いない?」
頷くみーくん。
『しんじゃった 』
手のひらに書かれた言葉。
「えっ?ご両親?」
頷くみーくん。そして『ぼくのせいなのぼくがころしたの 』と書いた。
◆◆◆
「広瀬」
名前を呼ばれて振り返った広瀬。
同期の刑事がそこに居た。
「平蔵親分に頼みがある」
「平蔵に?」
「平蔵親分、顔が広いだろ?」
「まあ……広いですね、広いというかデカい?」
「いやいや、顔の面積じゃなくて……ヤクザ方面」
同期の刑事はマル暴の刑事でヤクザ専門。
平蔵は名前の通り、鬼の平蔵と呼ばれそっち方面に有名だった。だからといって平蔵がヤクザというわけではない。
だだ、平蔵が学生時代やんちゃしていた頃、対立していた暴走を1人でボコリ、一躍有名になり、その手からたくさんスカウトがきていたのだ。
舎弟の中にも現在大きな組の跡継ぎもいたりして、そういう理由で顔が広いのだ。
「いま、梅組がな姫探しってやってんだよ」
「梅組って幼稚園みたいな呼び方……姫って?何かの暗号?」
「いや、この前大きな組の親分が亡くなっただろ?そこの孫の事だと思う……行方不明らしい」
ニュースにもなっていた組のトップの死去。
しばらくは荒れるかも知れないと警戒していた。
「孫……女の子?誘拐でもされたか?」
「いや、男の子だ……姫と呼ばれるのはこんな感じで綺麗な顔をしているから」
同期の刑事が見せた写真はみーくんだった。
「この子……名前は?」
「梅野美月」
みーくん!!!
なんで……平蔵の所に居るんだよ!!
「平蔵に聞いて……って、おい広瀬!!」
同期の刑事が頼み事を言う前に広瀬は走り出していた。
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