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第5話
「はぁ……はぁ……」
何なんだ、この虚脱感は……。
ぐったりとデスクにうつ伏せていた俺は、下肢に違和感を感じてのそりと体を起こして下を見た。
スラックスに広がっている染みからは精液独特の青い匂いが漂っている。
「嘘だろ……。会社で夢精とかっ」
だんだんと冷やされ、下着が張り付く感触が気持ち悪い。
それなのに、すぐに行動に移そうという気が全くおきない。
このまま、ゆったりと眠っていたい……。
冷えたオフィスではなく、出来れば温かいベッドで誰かの腕に抱かれながら……。
その時、営業部の入口のドアが不意に開けられ、誰かが入ってくることに気付く。
警備員の見回りかと、とりあえず椅子を引き寄せて濡れたままの下半身をデスクの下に隠した。
「――浦沢。まだいたのか?」
沈黙を破った低い声に、首がもげそうなほどの勢いで振り返る。
そこには夜にもかかわらず、全く乱れのないスーツ姿の眞欧がいた。
緊張感に嫌な汗が背中を流れ落ちる。
まさか、彼とのセックスの夢を見て夢精したなんて口が裂けても言えない。
「あ……。専務、お疲れ様です」
動揺を隠せずに声が震えてしまう。鋭い勘の持ち主である彼は、そんな俺にいち早く気付き、足早に近づいてきた。
「どうした?体調でも悪いのか?」
「いえ……」
足をモジモジと動かしながら、自分の股間を隠し、椅子のキャスターを利用して彼との距離を作っていく。
しかし、その動きはどう見ても怪しい。
眞欧は訝し気に目を細めながら俺を見下ろすと、艶のあるブルーブラックの髪をかき上げた。
猛禽類のような鋭い視線が俺を上から下まで舐めるように見る。
こんな時に不謹慎ではあるが、その視線にも感じている俺がいる。
「あの……。なにか?」
眞欧はツイードの上着を脱ぐと、近くの椅子の背にかけた。
同系色のベストとピンストライプのシャツ、ネクタイのセンスも抜群だ。
がっしりとした筋肉質の体にフィットしたスーツだが、ただ上着を脱いだだけでこれほど色気が溢れるのかと戦慄するほど色っぽい。
「――仕事は、もう終わりか?」
「へっ?ええ……まぁ……」
「そうか……。じゃあ、帰る前に……」
そう言った眞欧がいきなり後ろから俺を抱きしめて来た。
ビクッと肩を震わせ、そのまま完全フリーズする。
俺の肩に顎を乗せ、耳元に顔を寄せるとリアルな息遣いが鼓膜を震わせる。
濡れた舌がねっとりと耳殻をなぞっていく。
「あ……ぁ、あの、専務……なにを……してる……っんぁ」
「残業中に居眠り……。挙句の果てには夢精までして……。どんな夢を見ていた?」
「へ?」
「私が当ててみせようか?夢の中で……私と繋がっていた。違うか?」
「え?あ……ちがっ」
「しかも、今日が初めてじゃない。毎晩のように私を求め、繋がった……。瑛太……」
ふっと耳に息を吹きかけられ、ゾクゾクと背筋を這う甘い痺れに我慢していた吐息が漏れる。
慌てて口を両手で押さえると、眞欧は大きな手を滑らせて下肢に触れた。
そこは大量の精子でぐっしょりと濡れている。
スラックスの上からでも糸を引きそうなくらい濃厚な白濁……。
ひんやりとした感触に、俺は「ひゃ……っ」と変な声を上げてしまった。
彼の指が俺のペニスの形をなぞるように動いていく。
「こんなに出して……。会社での粗相はご法度だと言っていただろう?お前は量が多い上に、何度もイクからな……」
「そんなこと……知らないっ」
「ほら……また欲しがって硬くなってきている。いつものようにオネダリをしてごらん。お前が望めば私はそれに従うまでだ。最愛の恋人……」
「ひぇ?ちょ、ちょっと待って!これは夢……夢なんだよなっ。だって夢の中のあなたは闇を統べる魔王様で……っ。え?まさか……?まさか……そんなはずない!」
力強く回された腕から逃れようともがいてみるが、全く体が動かない。
椅子ごと抱きしめられ、足をバタつかせるたびにギシシギと軋む。
「何を言っている?瑛太……。いい加減、目を覚ましたらどうだ?ここは、あの宮殿ではないぞ?オフィスだ……」
「分かってる……。それは分かってる!でも……あなたは……っ」
「私はお前の上司であり恋人である、天城眞欧だ。困った子だ……。私の名も忘れたのか?」
「い、いえっ!よ~く、知ってます……けどっ!」
「まだ、寝惚けているのか?これはお仕置きが必要だな……」
眞欧のお仕置き……。
左遷か、はたまたとんでもない取引先の担当か……。まさかクビなんてことはないよなぁ。
俺は耳朶を甘噛みされながら、すっかり勃ち上がってしまったモノを撫でられ、ゴクリと唾を呑み込んだ。
すると、彼の腕がするりと解けた。
ホッとしたのも束の間、彼は俺の両脇に手を差し込んで椅子から立たせると、デスクに両手をつかせた。
自分のネクタイを引き抜き、俺の手にグルグルと巻き付けて固定すると、俺の頬にチュッと音を立ててキスをした。
「オイタは許さない……」
「え?な……なにを……ぎゃっ!」
俺を後ろから抱きしめるようにしてベルトを緩め、スラックスの前を寛げると、そのまま下着ごと一気に引き下ろした。
急激に冷気に晒された肌が粟立ち、キュッと尻に力が入る。
その窪みを楽しむかのように大きな手で撫でてしゃがみ込むと、覗き込むように精液で濡れた下生えをしげしげと見つめた。
「――やはり、これはお前には必要ないな。剃るか……」
「ええっ!やめてくださいっ。何、言ってるんですかっ」
「美しいお前の体をもっと美しくするんだ。何か問題でも?」
「あります!大アリですっ」
立ち上りながら、羞恥に勃ってしまった胸の飾りも指先で弾く。
ピンク色のソレは眞欧の暴挙にも悦び震えている。
「あぁ……っ」
「本当に感じやすい身体だ……。楽しみだな……私の所有の証」
「はぁ?なに……っ」
「今、特注で作らせている。お前の白い肌に似合うピンクゴールドのピアスだ」
確かに夢の中で言っていた。俺の乳首にピアスをつけること。
しかし、なぜそれをここにいる彼が知っているのだろう。
すべては夢の中の事であって、リアルじゃない。
奴隷街出身の俺が恋人設定、そんな俺を溺愛する魔王――そんなこと、目が覚めれば消えてしまう幻影じゃないのか?
淡い恋心を抱いていたことは否定しない。だが、彼には恋人らしき女性の存在があって……。
「――ちょっと待って」
「何をだ?」
「専務の噂……。恋人、いるんですよね?秘書課の……」
眞欧はあからさまに不機嫌な表情で俺を睨むと、腰を掴んだまま立ち上がり、両方の乳首を思い切り抓りあげた。
「ひっ……いぁやぁぁぁ……んっ」
鋭い痛みと脳天を突き抜ける甘い痺れが全身を駆け巡り、俺はビクビクと腰を震わせた。
腹に付きそうなほどまでに成長したペニスの先端から糸を引きながら蜜が溢れた。
「何度、同じことを言わせる気だ?――ったく、あの男がロクでもない噂を広げたおかげで。そもそも、下賤の分際で、瑛太の尻を触るなど許される事ではない。左遷だけでは気が済まなくなって来た……。いっそ、クビを飛ばすか」
彼が呟くと同時に、周囲の空気が変わった。
ピンと張り詰めた冷たい空気に息が苦しくなる。
俺は恐る恐る振り返って、彼を仰いだ。
「それって……もしかして原田課長のこと、ですか?」
「忌々しい男だ。他の者へのセクハラも目に余る行為ではあったが、お前に触れた上に黙っていろと圧力をかけるとはな……。それだけじゃない。部署予算を水増しして横領していたことも調査済みだ」
「横領?!原田課長がっ」
「私が気付かないでいるとでも思ったのか……あのクズ。瑛太を泣かせた罪は極刑をもって償わせる」
「あれは……そのぉ。驚いただけで……っ」
「あの痴漢もそうだ。私のモノだと知っていて罪を犯すとは……」
「へ?知ってる……って。俺、今……初めて聞きました、けど?」
上を向いてそそり勃っていた俺のペニスがわずかに力を失う。
決して萎えたわけではないが、彼の言葉に我を忘れた……とでも言おうか。
夢の中では“魔王の恋人”として名を馳せていたかもしれない。だが、ここは現実の世界だ。
電車内で出会った痴漢は、もちろん見知らぬ男だ。
その彼が、俺が見ていた夢の中の出来事を知るはずがない。
「専務……」
眞欧はスラックスのポケットに手を入れて、中から何やら取り出した。
四角くて薄い……パッケージの。
「――ちょ、ちょっと!それってコンドームじゃっ」
パッケージの端を白い歯で挟みながら開封し、俺の声などまるで届いていないかのように、手慣れた動作で腰を抱き寄せて前に手を回すと、事もあろうか少し元気を失ったペニスに素早く装着した。
本来であれば眞欧が付けるのが筋だろう。なぜって、俺に……突っ込む気でいるのだから。
それなのに、なぜ?
困惑しながら視線を彷徨わせていると、グッと腰を引きよせられた。
「うわぁぁ」
「さっきの続きだ。私はまだイッてない……」
「さっきって……。もう、ワケ分からないっ!何で俺がゴム付けてんだよっ」
彼の大きな手が俺の脇腹をするりと撫でる。まるで荒ぶる馬を落ち着かせるかのように……。
その時、外気に晒されすっかり冷えた臀部に灼熱の棒を押し付けられ、俺は息を呑んだ。
肩越しにゆっくりと振り返ると、眞欧は夢の中と同じ深紅の瞳で俺を見つめていた。
「あの……。もしかして……?」
「いつものように尻を振って誘ってみろ」
「は?俺が……ですかっ」
「私のモノが欲しいと甘えて強請れ。お前の愛らしい声が聞きたい」
俺は慌てて目を逸らすと、デスクにしがみ付くようにして考えた。
今、俺の腰を掴んで、凶暴なペニスを押し当てているのは間違いなく魔王の眞欧だ。
これは夢なのか?それならば早く目を覚まさなければ……。
何度も瞬きして、自分の頬を抓ってみるが痛みだけが残るばかりだった。
「――いつまでネコを被っているつもりだ?あぁ……私からしてみれば、お前はいつでもワガママな仔猫ちゃんだったな」
「専務……っ。これは何かの間違いではないでしょうか」
「間違い?私に間違いなどない」
「だからっ。あの……夢の中にしてはリアルで」
「まだそんなことを言っているのか……。仕方がない。目を覚まさせるか」
眞欧の言葉に「やっと目が覚める」と喜んだのは一瞬で、刹那……俺の蕾は長大な灼熱の楔に一気に貫かれていた。
「い……っ。いやぁぁぁぁ!」
ミシミシと薄い粘膜が裂ける様に広げられ、俺は不覚にもその衝撃で射精してしまっていた。
ゴム先端に白い液溜まりが出来る。
「やぁ……はぁ、はぁ……く、苦しっ」
内臓を押し上げられるような圧迫感は、忍とのセックスでは経験したことのないものだった。
その上、彼は容赦なく動き始め、俺は息も絶え絶えのままデスクにうつ伏せた。
俺のペニスにコンドームを装着した理由も何となく理解出来た。
確かに、夢の中の俺は彼に突かれるたびに大量に射精していた。
このフロアで同じように精液を撒き散らしたら、清掃業者に何を疑われるか目に見えている。
彼なりの優しさと捉えるべきか……それとも。
「あぁ……。瑛太の中は良い。夢の中では実体があってないようなものだったからな」
「は、は……っ。せ……っむ、やだ……こんな……あんっ」
パンパンと激しい音を立てて背後から突き上げられる。
リアルで眞欧と繋がるのはこれが初めてだ。それなのに、多少の圧迫感は感じたものの、すんなりと女性の腕ほどあるモノを受け入れてしまっている自分が怖い。
しかも、全く解すこともせずに……だ。
やはり、夢の中で抱かれていたのは俺自身だったという事だろうか。
「あ……あぁ……何だか、変っ。奥が……ジン……って、気持ち……いいっ」
体の芯をジン……と痺れさせる切ない痛みは、今までに何度も経験してきたものだ。
眞欧と太い楔によって繋がれるのはセックスの間だけ。
彼の息遣いをすぐそばで聞きながら、たくさんの愛情と共にその中に注がれる。
(欲しい……)
大きく張ったカリが、いい場所を掠めていく。
頭の中が真っ白になり、もう何も考えられない。
どこからか甘い香りが流れ、宮殿での熱い一夜を思い出さずにはいられない。
「あ……あぁ……。いい……っ。もっと……頂戴っ」
口から自然に漏れるのは熱い吐息と、艶めかしい嬌声。
舌足らずに甘えると、眞欧の硬い先端が俺の内壁を抉った。
「ひぃ……あぁ、あ、出ちゃう……出ちゃうってばぁ!も……あ、はぁ……ん!」
激しく腰を震わせて、コンドームの中に白濁を吐き出す。
キュウ……っと尻に力を入れると、中に入っている物の形を嫌でも感じてしまう。
俺の中は貪欲に彼のモノを食い締め、さらに奥へと誘う。
もう、その場所には自分の意志は反映されてはいない。
「ひぃ……ひぃぃ……っ」
背中を上下させて荒い息を繰り返す俺とは反対に、余裕しか見せない彼のクールな眼差しが悔しい。
いつか、このポーカーフェイスを崩してやりたい――そう思っていたはずだ。
俺に溺れて、デロデロになればいい……。
専務の――いや、闇を統べる魔王の素顔を知るのは俺だけなのだから。
「瑛太……。お前の身体は素直で正直だ。そろそろ認めたらどうだ?」
「みと……める?」
「簡単なことだ。最愛の伴侶の名を口にすれば、おのずとすべてが繋がり、解放される。さあ……早く、イヤらしい姿を見せておくれ。私の愛しい淫魔……」
「淫魔……。俺が?」
ここは現代で……。魔王なんて存在するはずなどなくて……。
夢というのは自身の潜在意識が見せる幻影で……。
でも、俺が好きなのは――。
何かを言いたくて唇が震える。しかし、喉の奥に引っ掛かった何かが邪魔をして声にならない。
その間にも眞欧の突き上げは続き、俺は快楽と混乱の渦の真っ只中にいた。
(もう……楽になりたい)
意識が薄れ、視界が涙で滲んだ時、俺は掠れた声で呟いた。
「眞欧……。俺の……眞欧」
ガクンと体が揺れ、浴槽の栓が抜かれたかのように頭の中で渦巻いていたものがスーッと消えていく。
後に残っているのは、眞欧への想いと快楽だけ。
そう――俺は貧民街で魔王に拾われた淫魔。
彼に愛され、より美しく狡猾に生きる闇の申し子。
「眞欧……もっと、愛して。俺だけを……愛してっ」
肩越しに振り返って誘うように唇を舐めると、彼は満足げに何度も頷いた。
俺の腰に食い込んでいるのは彼の長く鋭い爪。
欲情するたびに赤みを増していく美しい双眸。
すべてが俺のモノ……だ。
「瑛太……。私の瑛太……っ」
静かなフロアにパンパンと肉を打つ破裂音が響く。そのたびに俺の蕾は潤み、グチュリと卑猥な水音を発している。
「あぁん……もう、ダメ!また……イッちゃう……っ」
「何度でもイケ……。っく!私もそろそろ……」
眞欧のブルーブラックの髪が乱れ、端正な顔がわずかに歪む。
腰に食い込む爪も深く、その痛みさえも快感に繋がっていく。
「瑛太……」
苦し気に、でも愛おし気に俺の名を呼ぶ。
「はぁ……はぁ……っ」
「来て……いっぱい出して。俺を孕ませて……っ」
「イクぞ――っぐあぁ!」
「あぁぁ……!!!」
灼熱の奔流が最奥を叩く。ドクドクと脈打ちながら吐き出される彼の精をすべて呑み込み、俺はデスクの上に力なく倒れ込んだ。
コンドームの先端にはかなりの量の精子が溜まっている。
余韻に浸りながら腰をゆるゆると動かし続けている眞欧もまた、俺の背中に倒れ込むようにしてキスを繰り返した。
「いい香りだ……瑛太」
大量の精子を吐き出してもなお、彼の楔は大きさを保持したままだ。
このままもう一回始まってもおかしくない。
「眞欧……キス、してっ」
俺の声に弾かれるように体を起こし、繋がったままで肩越しに唇を合わせる。
互いの舌が絡み合い、クチュリと音を立てる。
「――やっと戻って来たな。瑛太」
「ん……っ」
もう一度キスを強請ろうと目を閉じた時、フロアの入口のドアがいきなり開き、そこに立っていた黒ずくめの男の声で俺は我に返った。
実に事務的で感情のない声音……。
「そろそろお時間です」
その声に、眞欧も汗ばんだ髪をかき上げながら肩越しに振り返ると、その人物を物凄い形相で睨みつけた。
「黒井、貴様というヤツはどこまで邪魔をすれば気が済むんだ?空気を読めっ」
「お言葉ですが……。ここは宮殿ではないのですよ?眠らせていた警備員もそろそろ目を覚ます頃です。それに……」
チラッと俺の方を見た黒井は深いため息をついた。
彼の眼鏡のレンズに蛍光灯の光が反射した。
「――戻ってしまったんですか」
そう言いながらも、どこかホッとしているようにも見える。
未だに黒井という男の正体が掴めずにいる。
自分にとって敵なのか味方なのか……。しかし、一つだけ分かっていることはある。
主である眞欧には忠実だという事だ。
「何だよ……」
相変わらずムカつく態度に、俺は軽く舌打ちした。
「とにかく続きはマンションでお願いします。魔王様、これをお使いになって下さい」
「何だ?」
黒井がポケットから取り出したのは赤いシリコン製のアナルプラグだった。
それを受け取った眞欧は、先程までの怒りなど嘘だったかのように口元に笑みを浮かべている。
「――黒井、お前にしては気が利くな」
「何年、あなたの側近を務めていると思っているんですか?それならば魔王様の精を漏らすことなくマンションまでお連れすることが出来ますでしょう?」
俺は二人の会話を黙って聞いていたが、不意に魔王が自身の楔を引き抜いたことで「あんっ」と甘い声を漏らしてしまった。
慌てて口を覆い、彼らを睨みつける。
冷たいシリコンが体内に埋めこまれ、物足りなさに唇を噛んだ。
「いつか復活できないように首を刎ねてやる……」
ギリッと奥歯を噛みしめて、俺はもう一度大きく舌打ちをした。
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