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※【番外編】やくそく

鼻から吸い込む空気の甘さと胎内の奥を的確に揺さぶられて、滲んだ汗でシャツが重い。 装着させていた尿道プラグが勃起に狭い尿道にくいこんで苦痛を増す。 「ッ……ッふッ…………ッ」 声をあげないように奥歯をギリギリと噛むが、全身でイきたくて仕方がなくなってくる。 「君は、新人さんかな。すごい綺麗な顔をしているね」 近くで康史に声をかけてくる男がいて、思わずきつく睨んでしまう。 「今日初めて参加します。串崎さんから色々教わってきたのですが、やっとパートナーから許可してもらったので」 「カッコイイ子。へえ、まだ剥けてないんだね。なかなかこういうタイプの犬は見ないね。誓いがまだなら5千万円で僕に売ってくれないかな、ちゃんと誓いができるように躾けられるよ」 にこりと笑顔をみせる男の胡散臭さに、俺は奥歯を噛んだまま、睨みあげ続ける。 「すみません。価値はつけられない、唯一のモノなので。ごめんなさい」 そう返すと、康史は俺の髪を撫でて唇を俺の耳に寄せる。 「まだオレのモノだと認められてないから、声をかけられてしまうんだよ。ねえ、トール我慢しなくていいよ」 息も上がってきていて、俺は康史の腕をぐいと掴んで頷く。 「残念だね。素直に譲ってくれればイヤな目にも合わないで済むのに」 相手の言葉の奥に潜む剣呑さと、近寄る黒服たちに殺気を感じて、思わず俺は腰をあげて男の胸ぐらをつかみ寄せる。 「テメェ……ヤスに手ェ出したら、ぶち殺すぞ」 声をあげた瞬間黒服の男達が、それを奪おうと掴みかかってきたので、回し蹴りを食らわせ床に沈める。 男はビビッて身体を震わせているので、俺はそれを床に放りなげた。 「ちょっと、乱闘はやめてくださいな。水上、アンタは新人さんを煽らないで」 慌てた様子もなく近寄ってきた串崎に俺は鼻先で笑うと首を軽く振る。 「ヤスに手を出そうとしたから、軽く払っただけだ」 「ホントに貴方はドーベルマンだわね。……水上も、この子達に手を出さないでね。この子は佐倉さんの息子さんなんだから、売り物じゃないわ」 恐ろしくてとてもじゃないけど売り出せないけどねと返す様子を眺めて、俺も限界に近いなと康史の腕を引く。 「あそこで、脱がせて貰えばいいのか?」 頭の中はかなり切羽詰まっているが、それでも康史の危機にはちゃんと立ち向かえるなと、胸を撫で下ろした。 康史は俺の腕をギュッと掴んで強く頷いた。

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