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happybirthday→sideY

店を出ていつも相手してくれるマヌカンさんに、カッコイイ友達だねと言われて鼻高々になり、店を出る。 服を着替えた東流の横を歩くのは、かなり優越感でいっぱいだ。 鍛えられて長身の身体は少しの隙もなく、染め変えた髪は真っ黒ではないけど、艶やかなアッシュグレーが少しだけ光を返すので目立つ。 いつものコーディネートでも、東流ぽくてカッコイイんだけど、ヤンキー臭というかチンピラ臭が高すぎるから、まあ、周りに絡んでくださいっていってるようなもんだしな。 それに、さっき東流に耳元で囁かれた言葉に俺は浮き足立っている。 足腰立たないくらいにしてほしいとか、なんて大胆な煽り文句だろう。 エレベーターに乗り込み、俺は最上階へと登るボタンを押す。 これから予約した店で夕飯を食べるのだが、俺のココロはここにあらずな状態になっちまっている。 すごい高級ではないけど、美味しいと評判のいいイタリアンだ。 まあ、東流は質より量のタイプだから、味にはうるさくはないんだけど、最近は俺の味に慣れてきたのか、少しだけ舌が肥えてきたかもしれない。 「オシャレっぽい店だな」 首を傾げて振り返り、並んでいる人の脇をくぐり店の中に頭から突っ込んでいく。 ちょ、先に入るなって。 慌てて俺は東流の隣にはいり予約していた日高だと告げる。 店員が、東流を見て少しだけ顔を染めているのが気に入らなく、思わず無駄に笑顔を向けてしまう。 なんなく店員の視線を自分にもってくることに成功して、笑顔で席に案内してもらう。 ホントに自分でもイヤになるくらい、俺は嫉妬深い。 「窓際か、夜景綺麗だな。ヤスが選ぶとこは、ふーんいきもいいからな」 上機嫌で椅子に座る東流の表情が高揚しているようだ。 雰囲気といいたかったんだろうな。 「バースデー用のコース頼んだんだ」 「そんなんが、あるのか?」 驚いた表情で目を丸くするが、口許を緩めてありがとなと告げられる。 いつもより、大人っぽく見えて、なんだか俺までドキドキしてくる。 運ばれてくるコースをそっちのけで、俺は、東流の一挙一動に夢中になっていた。

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