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幼馴染み→sideT

「やだなァ、ホンキにしないでよ。クマ用とかは、さすがにウソだからさ」 へらりと笑いながら、本気で肩を落とした俺に康史は宥めるように背中をたたく。 「まあ、それくらいのモノがなくちゃ、自分のモノにはできないと思ってたけどね」 康史の言葉に、少し士龍は驚いた表情を浮かべて首を傾げた。 「昔から、トール君は、ずっとヤッちゃんのことしか見てなかったのに?」 不思議そうな顔をする士龍が、たぶん正しいのだろうと思う。 それは、俺が1番分かっている。 凶行をする前にもしも言ってくれてたら、多分だが、俺はOKしてたという自信はある。 普段の俺の態度やおこないが、康史を凶行にかりたてたので、俺にも責任はある。 「岡目八目って言葉知ってる?」 聞かれた士龍は、意味がわからないのか首をひねる。 俺にもわからない。 「オカメ納豆しかわかんねー」 「実際、本人にはわからないことっていっぱいあるんだよってことだ」 康史はそう言うと、俺の肩を軽く叩く。 「ってわけで、俺は、卑怯な手を使ってコレを手にいれたわけだ」 「別に欲しければ、卑怯な手でもいいんじゃない。イヤなら、逃げるだろうし。ましてや、トール君だし」 少し考えながら告げる士龍は、康史に笑みをつくる。 「…………俺も、コイツを脅して手にいれた」 ボソボソと、虎王が言いにくそうに話し出す。 あ、だから、士龍が歯切れが悪かったんだなと、理由がわかる。 「そうなの?!」 康史が驚きながら、ココアを入れ直し始める。 「んー。まあ、そうなんだけど、俺も脅されたフリしてたからなー。別にイヤなら逃げたし」 「なんで、フリしてたの?」 「なんとなく、好奇心」 言い出す士龍は、ちょっといたずらっぽい笑顔になる。 「そしたら、なーんか、ハマッちゃってさ。…………ンー気づいたら好きになってたんだよなー」 「軽ッ」 「体からってのも、アリだよね?」 素直に言う士龍のあっけらかんとした様子に、ちょっとばかり心配にはなるが、本人たちが幸せそうなのでヤボはいわずにそうだなと頷いた。

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