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帰宅まで→sideY
理科室を片付けて、ぼーっとしたままの東流の制服を着替えさせて部屋を出ると、すっかり夕暮れ時になっていた。
鍵を締めてポケットにしまう。
鍵をユリエ先生に返しにいかないとだけど、こんな状態の東流を置いてはいけないし。
どーしたものかと考えてると、東流は階段をのろのろ登りながら、深々と息をついて言う。
「鍵、返してくんだろ?…………下駄箱で、待ってる」
ぼんやりとして心ここにあらずの様子だ。
まあ、この学校で東流にからむやつはいないから、校内にいるのならば安心だろう。
「わかった。じゃあ、返してくるから、ちゃんと待ってて」
ゆっくり階段を登る東流を置いて、ユリエ先生のいる個室に向かう。
鍵を返して、軽く近況などを話したあとに下駄箱のある昇降口へ戻ると、下駄箱によっかかり腕組みをしてまだ、酔ったような表情を浮かべて、待っている東流を見つける。
「お待たせ。遅くなってゴメン」
「ああ…………なんか、俺……すげえ興奮してんだけど……なんでだろう」
ボソボソと、東流は呟いて下駄箱から背中を離して、俺を見下ろす。
「すっげえエロい顔してるしな。縛るって言ったから?」
「ちげえな」
声をひそめて問い返すと、勝手に東流は納得してくつを履き出す。
おい、俺の質問には答えないのか。
俺が靴を手にして履き始めると、東流は、くいっと腕を掴み、まだ熱を持って潤んだ目で見返す。
「………………オマエが、試験管なんか突っ込むからよ、まだ、体おかしんだ………ちっと力入れっと……そんだけでイキそ…………」
割れないように必死で快感の中で括約筋の力を押さえ込んでいた反動がまだ抜けないようだ。
媚薬より効果的かもしれないな。
「はやく、帰ろ。家でたくさんしてあげるからね」
宥めるように囁いて俺は掴まれた腕を握り返すと、東流の腕を引いて駐輪場へと急いだ。
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