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ピアス →sideT

ネット通販で頼んだものが来たんだと、康史は上機嫌で俺の目の前にソレを並べ始めた。 つか…………通販でコイツは何てもんを注文してるんだ。まあ、実際に店で買うのは勇気いるだろうが。 明らかに大人のオモチャ的なものが箱にいっぱいと、すみっこにキラキラ光る綺麗なピアス。 「トールがさ、全部くれるって言ったから。…………たから、これ使って全部もらうつもり」 コイツの趣味はAVの傾向を見て、たいていのことはわかっている。 分かった上で、イイヨと言ったのだが、目の前にえげつなそうな道具を見せられると、やっぱりちょっとは躊躇う。 躊躇うが、一度決めたものを曲げるわけはない。男に二言はねえのだ。 ……それに……。 俺は机のはじっこにおいてあるキラキラしたピアスを手にとる。 幾何学的な模様が彫ってあり、馬蹄になっていてカッコイイ。康史のイニシャルか、ピアスにYHと彫ってある。 「…………全部ヤんよ。オマエに」 俺が、奴らにつけられちまったピアスを外したい気持ちでいっぱいなのを、きっと康史は汲んでくれた。 外すといったら、少し待てといった理由はこれなんだろう。 いつも、康史はそうだ。 いつでも、俺の気持ちを先回りしてくれる。 全部やっちまってもイイし、かまわない。 何されても構わねェ。 「これ全部使っていいのか」 「どう使うんか想像つかねェけど、イイヨ。何でもしてやるし、何されてもイイ」 目の前に並んだ何かわからない器具を手にとって、面白い形してるなとぼんやり眺める。 「もー、かなわねえな。……トールは本当に潔ぎよすぎなんだよ」 「それは褒めてるンか」 「まあね。少しだけ嫌がられるのも好きなんだけど」 綺麗でたまらなく好きな顔が、嬉しそうな色に染まるのに、俺はにっと笑って見せる。 「じゃ、脱いで」 「っつっても、俺、ランニングとパンツしか着てねえぞ」 裸と殆ど変わらない姿の自分を見やり、肩を竦ませ手にした器具を机の上に置くとぱぱっと脱いで全裸になってやる。 「え…………まって、トール。ちょっと恥ずかしがるとかそういうのないの」 逆に慌てたような顔をする康史に、俺は首を傾げる。 「別に……恥ずかしくねェしな」 「……そ、そうか……そうだよな」 ちょっと残念そうな表情の康史に、何かやっちまったかなと思い首を傾げる。 特に今の行動に、問題ねえよな。 「あーと、何か違った?」 「いや。トールが……どうしたら恥ずかしがってくれるかなとか考えてらた」 ちょっと言いにくそうに、俺を眺め康史はは俺の腰に腕を絡める。 「恥ずかしがったらいいのか」 言われていることが分からず、俺はどうしようかと考える。 恥ずかしいことか。 そういうことを求められるとは思わなかった。結構、恥ずかしいことはしている気もするんだけどな。 考えあぐねていると、康史はぐいっと俺の体を抱きしめる。 「トールが考えなくてもいいんだ。トールが潔すぎるからさ」 目線ひとつ下に見えるヤスの頭に俺はあごをごつんと乗せた。 「大丈夫、トールが恥ずかしがるようなこと、俺いっぱいするから」 そうか。 うーん。 「それって、大丈夫っていうのか」 思わず突っ込むと、康史はベッドの上を手のひらで叩く。 「とりあえず、ピアス変えようね。ベッドに座って」 腕を解いて微笑む康史に俺は頷いて、ベッドに腰を下ろした。

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