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予兆→sideT

ビリビリきてるのは、悪意に満ちた感情と敵意。 バイクで帰れば良かったのだが、昨日、バイクを康史のマンションに置いてきてしまったのだ。 バイクに乗れる体調でもなかったしな。 とにかく、俺のHPがたんねーのに、多分50人近くの人数に囲まれている。 「……ヤス、50人くらい?」 確認するように視線を飛ばす。 「そうだな。60近いかな。あー、東高の制服だね」 康史は敵対している高校の名前をあげる。 「またか、いいかげんしつけーな」 「それしかやることないんだろうけど」 康史の言葉に苦笑を浮かべながら、リーダーらしきやつがどいつかを量る。 確か、去年の冬くらいに襲ってきたヤツらだっけ。 夏祭りの時もだが、よく、絡んでくるから顔も覚えている。名前は気にしたことねえけど。 「いつものトコのヤツらみたいだな」 「小倉派だろ。まあ、襲ってくる東高はだいたいそこかな。司令塔はオールバックだからな。トールが先につぶしてよ。俺はボスのでけえ方をやるから、そっち片付けたら手ぇかしてよ」 康史は、ひらりと体を翻して体のデカいリーダー格には向かっていく。 数でこられちまうとな。 俺は康史の指差したオールバックに向かう。 「ウチのOBから、ハセガワ、オマエの抹殺命令がでたのよ。悪く思わないでね。キャハ」 軽い口調でいうオールバックに俺は視線を向ける。 康史が俺に任せたってことは、コイツにはなんかあるんだろうな。 抹殺とかいっちゃってるあたり、かなり中二病入ってるのは確かなんだろうけど。 「ふ、ヤれんなら、遠慮いらねーぜ」 俺はオールバックが、後ろの奴らに指示をだそうとする瞬間に、前へと体を押入れて、首の付け根を掴む。 「東高は大変だな。…………卒業した奴らにまで使われるとかな」 よいこらせと持ち上げると、地面に顔から叩きつける。 「ライ!!!」 でかいのがなんか吠えているが、康史が翻弄するように蹴りを腹部に食らわせている。 まあ、康史の動きについていってはいないようだから、陥落するまでの時間は少ないだろう。 「誰に頼まれたンだ。ファイナルアンサー?」 助けにも入れないのか、あわてるばかりの周りを俺は見回し、ふたりを捕らえたところで、周りの男達は、愕然としている。 たんなる、ダメな兵隊だ。 「言ったとこで、もうこのへんには、いねえんだよ、キャハ」 オールバックの糸目な男は、意味ありげな口調で伝えてくる。 「うるせえ、答えろ」 どうでもいいこどだったがら、黒幕をちらつかせられたらきになって仕方がない。 「キャハ、気になる?でもさあ、コッチは言われた通り動いてるだけなのよ。残念でしたー、キャハハ」 最後まで言わせずに、俺は男の頭をとりあえず脚で踏みつけた。

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