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クリスマス→sideT

クリスマスを迎えたと同時に抱きしめた康史の体は、まだ沸騰しそうに熱くてじっとりと汗ばんでいた。 脳みそが真っ白になるくらいの快感から、漸く浮遊するような心地に戻り、俺はしがみつくようにその体を抱きこんだ。 体が欲しがるって言うのは、こういうことなんだなと、こころから実感する。 恋とか愛とか、自分でもそういう類のことは、はっきりよくわからねえけど、コイツを本当に体ごと俺のものにしたいと、心から願った。 だから、達成された充足感はいつもの比じゃない。 「メリークリスマス……トール。本当に腹時計なの?狂いがないのが、怖すぎなんだけど。…………だいじょうぶ?」 覗き込んでくる顔は、俺が気に入っている綺麗な顔を少し曇らせた心配げな顔。 俺は、康史のこの顔がずっと好きだなと思い、手を伸ばして指先で輪郭をたどる。 「……ン……キモチ……ヨ、すぎて……、まだ…アタマ、ぶっとんでる……」 康史のアタマの裏に回した、いつもより力が入らない手でくしゃくしゃと綺麗な栗色の髪をかき回す。 全身がまだじんじんと痺れているみたいで、呼吸もまだ早くて、熱が収まらない。 「いつもより、エッチな顔してる…………ほんとにとろとろの顔で可愛い」 「ん…………いまおれ……あたま、やべえ……し。…………オトナになったら、サンタさんこねえ、理由がわかったぜ……」 ぼそっと俺が呟くと、康史は一瞬唖然とした表情を浮かべ、ちょっと噴出すと俺の鼻に唇を押し当てる。 「なんか何となくわかっちゃうけど、一応聞くね。理由って……ナニ?」 「……こんな日によォ、煙突から入ったら……流石に、セックスの邪魔になるだろ」 康史は俺の答えを予想していたようで、可笑しそうに腹を抱えて笑い、俺の背中に腕を回してくる。 「別に入ってきても、俺は見せてやるけどね。むしろサンタさんに視姦してもらっちゃう」 いたずらっぽい表情で、俺に挑むような目を向けてくる。 そんな煽られてもな…………。 「……ホント……ヘンタイだよな……」 「トールだって、見られた方が、いつもより感じるだろ?」 耳元で吐息を吹きかけるように囁かれて、俺は康史の髪をぐっと引っ張る。 「そんなこたねえよ…………今日のが、一番感じた」 「クリスマスだから?意外に、まさかのイベント好き?」 本気で意外そうな表情で言われて、俺は、考えながら天井に目を向ける。 クリスマスだから、感じたのか? いや……そういうわけじゃないな。……違うな。 俺は、プレゼントをあげたときの康史の涙に可愛いと思った。 そこからは、欲情して、ずっとヤリてえなと思っていた。 それで、エレベーターでキスだけで達するほど欲情はたかまりすぎていた。 「クリスマスとか関係ねえな。なんか……オマエがすげえ可愛いかったから……だ」 康史は、俺の言葉にちょっと驚いた表情を浮かべて暫く押し黙ると、俺の背中をゆっくりと撫でる。 「……トールは、ホントすげえよ。ガキの頃からブレねえもんなあ……。ガキの頃から、他のヤツに可愛いとか言われるの、すげえむかついたけど、トールにだけは、俺はそういわれるのいやじゃなかったし」 「……今でも、オマエが、一番可愛いぞ」 我慢ができなくなって、唇に吸い付き舌先で康史の唇をこじあける。 今日の俺は、ホントに我慢ができないみたいだ。 クリスマスっていうのも手伝っているのかもしれねーけど、欲望のままに康史の唇を貪りつくした。

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