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※叶わぬいのり →side Y

どうか、来ないでほしい。 東流に電話が繋がってしまった、いま、俺に残されたことは、そんな僅かないのりしかない。 神なんか信じてなんか、いない。 だけど、頼めるのはいない筈の神様だけで。 東流にこないで、ほしいという、小さなねがいだけ。 体を貫き、内部を圧迫して苦しめる肉の感覚に、脳髄まで揺さぶられていく。 ひどい吐き気に襲われながらも、胃液すら吐くことすらできない。 苦悶と情けない、嗚咽の声しか漏れない。 このまま、そう…………こいつらに殺されてもいい。 もう、十分だろ。 十分…………俺には十分すぎるくらい幸せな時間を過ごした。 夏休みだけで、いいと。東流に殺されなくても、想いを遂げて拒否された時点で、俺は命を断つつもりでいた。 あんな卑怯で醜いことをした俺には、充分すぎる、幸せをくれたのだから。 信じちゃいない、だけど、万が一にも神様ってやつがいるっていうなら。 ここで、俺を、終わらせてほしい。 何人か入れ替わって、次々に俺の体の中に体液を吐き出し欲望のままに汚していく。 こんな姿を見られたら、どちらにしろ、おしまいに違いない。 怖くて怖くて、涙が出てきて、止まらない。 どこかで、充分だって思ってるのに。 未練がましく、東流を失うのがこわい。 内部を揺さぶる動きより、どうにもならない体の疼きより、恐怖しているのはそのことばかりだ。 「泣いた顔も可愛い顔だなぁ、美形ってのは何しても様になるなァ」 蔑みをこめた口調で、俺の顔に向けてびちゃびちゃと精液を放つ男すら、俺にはどうでもよかった。 媚薬で止まらなくなるくらい体内が疼くこともどうでもいい。 頭はもう麻痺している。 電話が東流に繋がってしまったことが、俺の頭の中をぐるぐると駆け巡っている。 オネガイだから、こないでくれ。 ここには総勢30人ほど東高のやつらが集まっている。 罠に飛び込んでくるほど、頭に血が上ってないよな……トール。 ひとりでノコノコこねえよな……。 この姿を見られることも、怖くて仕方がなかったけど、何よりそのせいで東流が傷つくのに耐えられない。 外でグオオオオンという聞き慣れたバイクの唸り声が聞こえる。 トール? 「!!ーーッひ、イ、イヤ、……ッだァァァ」 絶望的な思いの中、ぐぐっと奥を貫かれガクガクと全身を震わせると、俺はあまりの絶望にパニックへと陥って悲鳴をあげた。

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