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捧げた希い→sideY

バリバリバリバリ 身体が馬鹿になったように中がうねり、絶望の中で快感が追い詰めてくる。 男が、慌てて俺の体を引き剥がしても、なお、俺は痙攣が止められずにビクビクと跳ね続ける。 トタン板の扉がまるで裂けるように割れて、隙間からバイクがスピードを落とさずに突っ込んでくる。 悲鳴をあげて逃げ惑う男達を跳ね飛ばして、その辺に転がっている木材を拾うと振り回しながら、顔を血まみれにした東流が大暴れしはじめているのが、霞んだ目に映る。 バカ………。 バイクごと乗り込むヤツがいるかよ……っ、ほんと、やること、めちゃくちゃ、だな。 呆れながらも、酷い頭痛が軋むように警鐘を鳴らす。 …………バカ……やろ……そんなむちゃ、したら、オマエも大怪我すんじゃねえか…………。 悲鳴と怒号が聞こえる。 それが、また耳に響いて、頭を締め付けるような痛みを増加させる。 応戦しようとする男たちが、東流の方に押し寄せているが、無表情に東流は一気になぎ倒す。 …………ヤバイ時のかお、してる。 ひでえな……神様………やっぱ、いねーんかな…………。 ちっとも、願い事なんか聞いてくんねえんだな…………ほんの、ささいな…………いのりでさえ…………と、どかないん、だ。 もし、それでもホントに神様がいるなら…………。 このまま、すべて…………なにもかも、わすれさせて、くれ。 意識がのまれていく感覚に、俺はそのまま身を任せた。

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