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第2話 12月16日は電話の日。(上)

笹倉 叶()目線 お題電話一人エッチ  12月16日この日はもう二学期の期末テストが終わり一段落して……杉原先輩と少し早めに学校を出る予定でした。  私のクラスは早めにHRが終わったので、恐る恐る杉原先輩の教室三年二組を尋ねることにしました。  杉原先輩のクラスはHRを終えていて、杉原先輩の手にはプリントの束がありました。  何かあったのでしょうか………? 「ごめん叶!!……補習…入っちゃった」  杉原先輩が本当に申し訳なさそうに両手をあわせて謝ってます。  私はそんな先輩が何だか可愛いかなと思いつつも、一人で帰るつもりもなかったので、 「大丈夫です、私待てます」  私にとっては杉原先輩を待っているのは当たり前のことだったのでそう言ったのですが……先輩は私の両肩を掴んで真剣な眼差しで、 「ダメでーす。この間みたいに……呼吸がうまく出来ないとか…そんななったらどうすんの?」  ……あ、あの日も確か補修の日でした。  でも今日は本当に正常ですし、何か思い出して辛くなるようなこともなく………それにしても杉原先輩は最近過保護すぎます。  私も一応成長していますよ?と言いたいのですが……うじうじ考え込む性格は残念ながら治せないですし……トラウマも亮のことを考えると……怖くて未だに身体が震えてくるのも事実です。 「でも……一人で帰りたくないんです」  実は……早めに帰れたらを想定して、杉原先輩に私の家に寄っていただいて少しだけでもお話しがしたかったのです。  つまりは、私は少しでも杉原先輩と一緒に居たかったの訳なのですが……。  先輩はまた夕方から『茶道の修行』に行ってしまいます。 「明後日の日曜日にデートするデショ?」  ………まさかの杉原先輩の言葉に私は衝撃を受けてしまいました!!  あんなに私なんかに『アプローチ』してきて……そんな言葉を先輩から聞く日がくるなんて 「……私、一人で帰ります!!」  半ば大きな声で言ってしまいました。  衝撃が私には大きすぎて感情的になっていたのです。  回りににいらした先輩方が私の声に驚いているようで……今になって凄く恥ずかしくなりました。 「かっ…叶……?ごめんでも心配なんだよ。俺無しで保健室に行かれても俺が困っちゃうし、叶もヤなんじゃない」  まぁ……それは確かにそうですね。 「……分かりました、大声を出してしまってごめんなさい。少し寂しいですけど今日は私大人しく帰ります」  私は杉原先輩にとても悪いこと……我が儘を言ってしまったことを後悔しました。  少しだけ……終わるまで待っていて、と言って貰えるかも期待してしまった私が悪いです。 「叶ちゃーん、今日は俺が送ってあげるよ」 「えっ?!」  杉原先輩のクラス一人のの先輩が私に声をかけてきてくれました。 「……はい?」 「杉原だけいっつも叶ちゃんと一緒にいるとか納得出来なかったんだよね!」  ……何故『納得出来ない』という言葉が出てきたのがが私には理解が出来ませんでした。 「あ、俺も1回は笹倉と帰ってみたいと思ってた!!俺も混ぜて」  ……何故私と帰ってみたいのですか?そう聞こうとしたら杉原先輩は私の両手を取って 「叶、待っててっ!!」 「……え?」 「すぐ終わらすから待ってて!!」  それも何故杉原先輩の気が変わったのか理解ができず……それでも待っていても良いと許可がおりたのが嬉しくて、 「はい、図書館で待ってますね」  私は多分……変な顔になって答えていましたよね?  回りにいらした先輩方がとても複雑そうななんとも言えない顔になっていましたから……。 _____  私は『笹倉 叶』といいます。  『かなえ』なんて『女の子』みたいな名前ですが、私は立派に『男』です。  いえ、……立派ではないかもしれません。  16歳『男』にしては低い身長165cm、声変わりはしましたが……割と『女の子』に間違えられたり……。  それだけではなくて……顔も童顔、お祖母ちゃんと母さん似ていると言われます。  『息子は女親に似ると幸せになる』とよく聞きますが、私は信じていませんでした。  今までは……。  私の家は少しだけ……普通の家と変わっています。  お祖父ちゃんのは戦後生まれで家が割と裕福だった為、自営業で会社を立ち上げ一代にして日本では割と皆が知っている大きな会社になりました。  そしてその後継ぎの私の父さんは……私がいうのもなんですが、かなり凄く頭の回転が早くて……数年でもっと大きな会社『笹倉グループ』にしてしまいました。  ……その後取りだと思っていますが、私なんかがそんな凄い大きな会社を動かせるような人間だと思っていません。  でもまだ誰にも打ち明けていません。  そして……変わっているところはまだあります。  それは私の『容姿』です。  お祖父ちゃんは日本人ですが、お祖母ちゃんはドイツ出身……。  したがって父さんは日本とドイツのハーフ……それだけでも父さんは目立った容姿をしています。  その上に母さんがフランス出身……ハーフの父さんはにフランス出身の母さんの間に生まれた私は明るいブロンズ髪に緑色をした目。  『女の子』みたいな名前に、容姿、そして声。  『笹倉 叶』日本人なのに……、かけ離れたミックス。  こんな『ミックス』で幼い頃からからかわれて、中学では……かなり虐めを受けました。  トラウマを植え付けられるほどの虐め……。  それで、私は逃げ出して……中学転校もしました。  その『ミックス』な私は……私が嫌いでした。  それでも……そんな『ミックス』な私を『好き』だと思えるところも出来ました。  そう思わせてくれたのは『好きな人』の存在です………。 _____ 「いい?叶……ぜっーったいに俺が電話するまで、個室開けないないでね」  杉原先輩は私に念を押す。  それはまさに『七匹の仔やぎ』の『お母さんやぎ』状態でした。  その状態に私は少しだけ引いてました 「……はい」  ………心配しすぎだと思います。  それでも……その杉原先輩からの警戒を怠って、私は痛い目に二度ほど合っているので逆らうことはあまり出来ませんでした。 「同じ個室に入れば問題ないけど……さすがに三年の補習に一年の叶を入れるのは不自然だもんね?」  何故……私に疑問系を使うのでしょうか……? 「何故疑問系なんですか?」  私が思ったこを素直に言葉にすると、 「センセーに『杉原先輩のお勉強を見張りたいのでぇ、補習に使う個室に一緒に入っても良いですかぁ?』って上目遣いで可愛く言えば……叶なら大抵のことは出来そうなんだもん」  ………なんですか…その女々しいした言い方は……。  それ……ひょっとして私の『真似』立ったりしますか……?! 「…私は…言いませんし、上目遣いなんてしません!!」 「………俺身長あってよかったなぁー」 「……?何故ですか」  少しだけ間が相手から呟く杉原先輩の意味が理解できず、私は聞いたのですが……それについての返事はくれませんでした。 「…荷物は机に置いて小窓から見える位置、叶は死角に入る。じゃないとセンセーにさっきのやってもあるから」  多分これ以上、杉原先輩と言い合っても無駄でしょう……私は従うことにしました。  ……先輩はとても心配性になりました。 _____  私の『特別』で『好き』な人はこの学校の三年生の『杉原 俊』先輩。  ……実はこの学校は有名な名門学校です。  偏差値もかなり高いです。  杉原先輩は去年二年生二学期までかなり素行が悪かったそうですが、何故そんな先輩が三年生まで進級出来たのか……それは当時上級生の先輩方に信頼があったのと、勉強の『努力』があったからです。  しかし、杉原先輩は『努力は格好悪い』と、隠してしまってます。  『努力は格好悪い』という主張は……杉原先輩の『美学の一部』で『プライド』のようでした。  自分の意思をを貫けることは凄いことです!  ……私はそう思いますが、ですが何か違うような気にもなってしまい不安になります。  でも、そういうところも私が先輩の『好き』の一部でもあったりします。  私なんかがまさかそんな『男の人』に『興味』を持つなんて……いえ、だからこそ杉原先輩が『好き』になったのかもしれません。  ……杉原先輩を知る切っ掛けになったのは、先輩の弟の『亮』が私を……中学時代に『虐め』をしていたからだったりします。  切っ掛けなんて……色々ありますから、それに私にも思い出したくない『トラウマ』もあります。  なのでこれには今は触らないでおこうと思います。  9月の『文化祭』の準備で私は杉原先輩の存在を知りました。  『雨の日』に水を被ったような杉原先輩は……何故かとても私の目を引きました。  艶のある綺麗な黒髪に切れ長の目も黒に近い茶色、整った顔立ちに長身……。  細身なのに逞しい無駄のない身体を見たときは凄い羨ましく思いました。  何もかもが全く違う杉原先輩と私だったからこそ……私はこのひとに『興味』を持てたのかもしれなかったと今なら……今だからこそそう思います。  ですが、そこで終わっていたら、ただの『憧れ』で済んでしまっていました。  『雨の日』が嫌いな私は……杉原先輩から虐めのトラウマから逃れる為に『口合わせ』の刺激で埋めようとしていて、杉原先輩は『禁煙』の為の口淋しさから……私の『口合わせ』に付き合ってくれているのだと思っていました。  『文化祭』当日の卓球部で……杉原先輩から『好き』と告白されました。  感情が乏しい私は杉原先輩の告白に『特別』なんていう曖昧な言葉で繋いでしまいました。  『特別』という関係を繋いでしまってから……杉原先輩から猛烈な『アプローチ』が始まりました。  『キス』『バグ』『ペッティング』……今となってはあの数ヵ月前の私達の関係は可愛らしいものでした……。  今となっては……冗談では済まない『情事』へと変わってしまいました。  でも……その『行為』は私の『合意』が出さなくては始まらないのも事実で……何故かどうしてのでしょう、自分でも分からないまま求めてしまっていました。  ……つまり私は納得出来ていませんが、杉原先輩と『情事』にことが及んでも構わないと思っているということだと思います。  ………それでもこういう『行為』がしたいなんて『言葉』、私の口に出来る日は来ないような気がします。  『堕落』していて……『淫ら』で、でも自分で処理するより遥かに『気持ちが良い』上に、この『好き』な杉原先輩に求めてもらっているのが嬉しくて……達した後とても『幸せ』な気持ちにしてくれていました。 (それでも『認める』ことはできないですが………) _____  杉原先輩は何故大量のプリントを抱えてしまったのでしょうか……。  『努力』はしているのにあのプリントの補習が出てしまうことに私は少しだけ気になってしまいました。  でも私が口を出す権利はないですよね。  私は杉原先輩の言うことを守り、とりあえず図書館の本棚から持ってきたX'masに出来ることを調べていました。  X'masイヴは…父さんと一緒に本宅で過ごすことになっていますが、X'masは初めて杉原先輩とパーティーをすることになってしまいます。  私は……なんとしても杉原先輩を驚かそう試行錯誤して準備をしていまして…中々良い案がでないのでこうして探しています。  読み初めて3ページ目に差し掛かった頃、スマートフォンのバイブレーションが鞄から聞こえてきました。  こんな時に誰からでしょうか……そう思いながら着信を見たら、杉原先輩でした。  何故でしょう、とりあえず気にはなったのでその電話を受けてみた。 「もしもし」 『……叶、なんともない?』  第一声がそれですか?  ……心配してくれているのは嬉しいですが少ししすぎです。 「杉原先輩……」 『あ、今呆れてるデショ』 「え……」 『センパイは心配性だなって声だもん』  見抜かれてました……。  そうでした先輩は『場の空気を読む』のを忘れていました。 「ごめんなさい……」  先輩は心配性なのは私を心配してくれているのです。  『好き』な人にそんなに『想われている』のですから寧ろ有り難いと思わなくてはいけない筈です。 『ごめんね、重たい『男』で』  杉原先輩の声は困っているようでした。  多分……あの困った笑顔になっているはずです。 「……ごめんなさい…」 『謝んないでイイよ、だってホントだもん』  軽く笑いながら言う先輩は何時もの先輩です……多分不快にじゃないんでしょう。  先輩は強いです。  そういうところも『好き』です。  言いたくても……今は私には言えません。  感情が高いときでしたら……言えたのでしょうか。 _____ 『……そういえば叶、気付いてた?』  杉原先輩の電話の声はいつもより低くて……ハスキーで私は『好き』です。 「何がですか?」 『叶の個室……あのときの個室なんだよ?」  あのとき……あのときとはどんなときでしょうか? 「どんなときですか?」 『叶が……俺が叶を『好き』じゃなくなったら『死んじゃう』って言ってくれた個室』  っ!! 「やっ……やめてください!!」 『押し倒してくれて泣いちゃうんだもん……可愛いよねぇ』  私は一気に思い出してしまい恥ずかしくなっりました。 「杉原先輩……やめてください!!」 『しかも叶から『マーキング』二個付けてくれて嬉しかった』 「……杉原先輩、…やめて……」  私は恥ずかしさで消え去りたくなりました。 『叶、……テレフォンセックスしようよ』  私の中に間が出来てしまいました。 「……今杉原先輩なんていいました?」 『テレフォンセックスしようよ』 「……ええええっ!!」  この人一体何を考えてるんですかっ……?! 『叶、あんまり大きなたてない……ココ図書館だよね』 「先輩を私は注意したいです!!…ここは学ぶ所です!!」 『だって、叶が可愛らしく『やめてください』連呼すから、…興奮した』  やだ……杉原先輩本当に反応してます?!  ……声に艶がありました。 『シようよ、かなえ』 「……そんな声、しないで下さい」  やだ……私まで反応してきてしまいました……。 『あ……ホントに反応デショ?してるよね。声の色変わってる』 「え……」  杉原先輩の声が通常に戻ってます。 『……ホントは今日早く帰れたら、ホントにテレフォンセックス誘う予定でしたー』 「はい…?!」  クスクス笑う先輩は楽しそうでした。  予定ってなんですか……? 『12月16日今日は『電話の日』なんだよ』 「だから……電話でするなんて……?!」 『せっかく俺からのテレフォンセックスから逃れられるチャンスだったのに』  え……? 「じゃここで私が反応しなかったら……しない予定だったんですか?!」 『……馬鹿な叶』  今回は……私本当に自分から罠にハマりにきたようでした。 「うううう……」  私は脱力してしまい、……ポテリと机に経たり混んでしまいました。  ……本当に私は馬鹿です。  『馬鹿な叶』と言われるたびに毎回私は本当に馬鹿だと思っていましたが、今回は否定のしようがありません。 『でも……今回は本当に俺が課題が多過ぎだから叶には『オナニー』で我慢して貰おうかな』 「そっそんなこと無理です!!」 『あ、そうだ叶は中も『好き』だから『アナニー』もやってみようか?』 「あっあなっ?!」  あまりにも衝撃的な言葉で私は固まってしまいました。  自分でお尻の穴に挿入れたことはないので……恥ずかしくなり疼いてしまった自分にも恥ずかしいのに杉原先輩は楽しそうに笑って。 『叶、図書館は学ぶ所なんデショ?俺が教えてあげるよ』

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