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第8話 部活動強化週間。 5『悪魔の罠に頷く私』
「なっなななにをするんですか?!」
されたことを理解できた私はかなり動揺しました。
………杉原先輩と私しか見ていないですし、いないはずと分かっているのですが…鏡に目があるような気がして、いつもより恥ずかしかったんです。
「あれ?叶ひょっとして……恥ずかしがってない?」
……いつも恥ずかしいですよ。
ただ勢いでして……されてしまうだけです。
それだけのことなのに、今日は鏡に見られているようで恥ずかしんです!!
「あんまり…虐めないでください……」
鏡に映る私は顔が赤くて、女々しくて見ているのが辛いです…。
私はいつもこんな姿を杉原先輩に見せていたのですね……、情けなくてたまりませんでした。
その気持ちは杉原先輩は読めているのでしょうか…いないのでしょうか、私の顎を取り唇を重ねてきました。
それも軽いものではなく、舌を吸われ絡められて…歯列をなぞられ上顎を舌でこすられて、まるで口内を犯されているような感覚で……息も付けないほどの激しいキス。
唇が離れたときに見た鏡の中の私は、私ではないような表情をしていました。
でも、息をしている回数が、私と合っていたので鏡の私は私なのだと理解ができました。
「見て叶。……叶をこんなにしたのは誰だった?」
「…杉原先輩っです……」
「じゃ、こんなに叶をキスで蕩かせたのは…誰?」
「……杉原先輩です」
「叶をこうすることの出来る『人間』は誰?」
「杉原先輩…だけです……」
「叶の『恋人』は誰だった?」
「杉原先輩だけですっ……!!」
「なら……叶と俺は『お似合いの恋人同士』じゃない?」
そう思いたいです……。
たとえ認めてもらえなくても。
今だけでも良いです、そう思わせてください。
「……はい」
私は杉原先輩に頷いてみせました。
「……このままシちゃう?」
あまりにも唐突の『情事』へのお誘いで、私は心臓が破裂しそうなくらい驚いてしまいました。
「なっ……!」
「だってもったいなくない?叶がこんなに『可愛い』反応してるのに、逃すなんて」
か…『可愛い』?
私は茫然としてしまいました。
そして杉原先輩は何の遠慮もなく私の下半身の上の方にある『それ』をスッと触って
「叶のペニスもしたそうだし?」
「やっ……」
「かなえ…シようよ」
まるで『悪魔の甘い罠』にかかってしまったようでした。
「叶が俺のモノ、俺は叶のモノだって教えてあげる」
……私はつい、頷いてしまいました。
そして私は罠にかかりました。
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