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第9話 部活動強化週間。 6『羞恥に潰されそう…』

「………杉原先輩、鏡の前は嫌なんですけど……」  杉原先輩は、困ったように笑っていました。 「どして?…こうしたほうが叶が…俺が誰のモノか……よく分かるデショ」  何時もみたいに『綺麗』に困ったように笑う杉原先輩が私はとても大好きです。 (勿論今も………好きです)  ですが今は何を考えているのか…ただ鏡を使って情事を行いたいだけなのか、分からなくて私は不安でした。  杉原先輩の器用な手が私のベルトを外してジッパーを開けるのを何故か私は一部始終を鏡を通して見てしまっていました。 「叶の首筋…しょっぱいね……」 「…ごめんなさい…今日は体育が……あったので…」  私の息が上がるのは、乱れた襟元に先輩の唇…舌が這っているからです。  ……何かが床に落ちる音がしました。  鏡を見て確認したら、それは私の制服のズボンとベルトでした。 「あっ…あの……杉原先輩…」 「……上も脱がすよ?」  鏡の中の私は顔が真っ赤でした。  ……恥ずかしくて見ていられないのに、見てしまいます。  それは私が情事のときにどういう表情でどんな顔を先輩に見せているのか、気になっていたのもあるからだと思います。  でも、逆に自分自身がどういう顔をしてこのような情事を行っているのか知ることにもなり、怖くもありました。  考えながら脱がされていたので、私は抵抗することも忘れていました。  ……することもで来たはずなのに私はしていなかったんです。  どうしていいのか分からず、私は羞恥と怯えで身体が震えていただけで…。  どうして私は…『合意』なんて出してしまったのでしょうか……?

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