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第49話 4
「杉原先輩、下着…ボクサーパンツを返してください!!」
叶の部屋に通されて、愛しの叶に言われた第一声がそれだ。
考えてみたら当たり前なんだけどね、これはこれでつまんないよ。
「叶のボクサーパンツなんて俺は持ってないよ」
「何故…こんな意地悪するんですか」
「ハロウィン前夜だからイタズラしました」
「お菓子あげますから下着を返してください」
「俺はお菓子苦手だから、イタズラしに来たんでーす」
と、俺は笑って見せた。
すると叶は呆然として、フラフラとベッドの上に腰かけた。
「……まさか明日の学校もこれで行くのですか?」
叶の一番の不安はそれなんだろうね、薄いパンティーで制服なんて着たくないんだろう。
俺は叶の隣に座って、
「叶が俺にお菓子じゃなくて『精気』をくれたら、パンツ返してあげよう」
「……要するに『情事を行う口実』ですよね?」
「はーい、そうです」
叶は俺に迫って来て、
「何時ものように言えばいいじゃないですか」
はっきし言って叶が迫ってきても、怖くなんてないし、逆に煽られてるとしか思えない。
叶には天性の『魔性』がある。
だからそんな『可愛い』叶にチュッとわざとらしくリップ音をたてて口付けをした。
「ハロウィン前夜にそんなつまんないことしてどーすんの?雰囲気楽しもうよ、叶」
俺は叶の肩を抱いた。
「この条件を飲めば……ボクサーパンツの下着、返してくれるんですよね…?」
「俺のイタズラに耐えてくれたらね」
「……耐えます。私に悪戯してください」
こうして俺と叶のハロウィンパーティーが始まった。
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