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第53話 8
パジャマを脱がせて驚いたこと、触ってないのに乳首が桜色からピンク色に変わってたこと。
セックスに『女』相手をしてたきすら気付かなかった、身体の変化。
触ってなくても色すら変化する……まぁまぁ俺が相手にしてた『女』は自分から乳首触るどうしようもない堪え性のない奴ばっかだったから、仕方がないと言えばそうなんだけどね。
念のため叶に確認してみた。
「自分で乳首弄ってた?」
すると叶は噴火した。
「っかくにんしなぃとゎからないほど……したぎにむちゅう、だったのですかっ?」
「違うよ。知ってるけどね、乳首の色が変わってるから……」
叶に啄むようにキスをすると、彼の両腕が俺の首に回った。
叶はキスが好きだ。
叶と俺の関係は雨とキス。
隠れて生活してた俺なのに、雨の日叶に見付かった。
顔も名前も覚えていられない叶が何で俺を覚えてられたのか……俺は知らないし、叶も分からないようだった。
そんな中で俺は叶を手に入れることが出来た。
今日は雨じゃなかったから、ガッコで沢山キスをしたのに、叶はそれでも足りてないようだった。
いつものように何度も角度を変えて口付けを交わしたあと、舌を絡め合わせて吸った。
叶の柔らかいベビーリップは触れているとキモチイイし、幸せを感じる。
唾液が混ざり合い、俺の下にいる叶のその『可愛い』唇、ベビーリップから俺達の唾液が零れ……首筋に伝う時に、俺はようやく叶に息継ぎの余裕をあげた。
「…はぁっ」
息が上がるのは叶だけじゃない、俺もそうで……今回も余裕はなかった。
熟れた乳首の横に強めにマーキングを残して、『この印があるまでは叶は俺の所有物』と主張した。
「せんぱぃ……『好き』です…、ぉねがぃします…私にも『愛させて』…くださぃ」
叶のこの『愛させて』は『俺のペニスを舐めさせて』という意味だ。
俺としてはあまり叶にフェラチオさせたくない。
『俺は綺麗な身体じゃない。叶以外の身体の味も知ってるから』
それを叶に告白したら、それすらも受け入れてくれそうで……俺は言えないでいる。
だから俺は叶の要求を飲んでしまう。
「上手く……脱がせられたらね」
叶は俺のジーンズに手を掛けた。
ホントはね、叶が『俺を愛してくれる』のは正直嬉しい。
「こんなに醜いモノ、叶はよく『愛したい』のか俺には分かんないね。腐ってるみたいだし」
腐ってる……イチバン腐ってるのは俺の心だ。
最悪にも叶は俺のペニスをズボンから出す行為は覚えてしまった。
叶はなんの躊躇いもなくその『ゾンビ』のような俺のペニスをペロペロと舐め始めた。
叶のフェラチオはハッキリ言って下手クソで……まるで仔猫がミルクを飲むような舌使い。
そんな下手クソなフェラチオが叶の不器用さとピッタシで『可愛い』。
だから、これに対しても俺は何も言えないでいた。
『無邪気な小悪魔の叶』に育って欲しいと思いつつも、『無垢な天使の叶』でいて欲しいとも思う複雑な俺の心境だ。
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