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第16話 キミと姫初めへの道程。 1 『初キス・初平手打ち』

杉原 俊()目線。(『ビター×スイート』の「お正月の予定」を読んでから来てくださると嬉しいです) お題姫初め 「叶っ!!会いたかった………」 2017年初の叶に俺は場所を気にせず抱き締めた。 「……杉原先輩、…あけましておめでとうございます……」 「ごめん、叶まさか急に茶の席に入れなんて言われるとは思わなくて呼びつけちゃったよ」 今日は1月4日、約束なら今年初叶とデートに初詣に出掛ける予定だったのに、修行中の俺が何でか『茶の席』に呼び出された。 修行だからね、表立ってはまだいないんだけど……何でか呼び出されちゃったから俺の実家、茶道の名家『清水』の分家に叶を呼び出してしまったわけだ。 多分本家の差し金だろう……と俺は踏んでる。 (……俺も一応はだからね…) 「……せんぱぃ…くるしっ……」 力任せに抱き締めてちゃったから、か細い叶が悲鳴をあげてた。 このか細いちょー美少年のが俺の『恋人』の『笹倉 叶』ちゃん。 「ごめんごめん!!6日ぶりに会えたから嬉しくて」 そうだよ、一応ここ実家で叶は今俺の客人として御勝手ではなく表門から入って来たんだから、運悪く『茶の席』の客人と出くわす危険性が高いのを忘れてました。 「………」 叶は今なんとも言えない顔をしている。 だから俺は聞いてみた。 「叶、6日ぶりのセンパイはどう?!…嬉しい?」 「……杉原先輩の匂いがします」 ちょっとちょっと……叶、それはどういう意味なの? 「……それはどういう意味かな、かなえ?」 「電話やメールでは杉原先輩の匂いを感じることは出来なかったので……嬉しいです…」 ……久々に見たような叶の目を泳がせる仕草、顔の火照り、徐々に言葉が小さくなっていく喋り方……羞恥に照れてる叶が可愛くて、俺は生の叶に感動して、理性が効かず……外なのを忘れて叶に今年初の唇を奪い、俺は叶から今年初の平手打ちをいただきました。 息が乱れた可愛い叶から平手打ちをもらっても、俺は痛くなくて……逆に欲情した。 「うん……叶、今年もよろしくね?」 「……宜しくお願いします!!」 よろしくしてもらおう。 叶はこうでなくちゃ……ね?

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