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第17話 キミと姫初めへの道程。 2 『初詣・初喧嘩仲直り』
「杉原先輩は結局私と出掛けるよりも……『情事』しか考えてないんですね」
叶は見た目も中身も可愛い。
『清水』から一番近い神社ですら、揉みくちゃにされて、尻でも触られたかな。
「どして?」
「人混みに紛れて……私のお尻…触ったじゃないですか……」
「触ってないよ…」
やっぱしね。
「嘘です」
「ウソじゃないよ?片手で前切って片手で叶の肩庇ってたでしょ」
濡れ衣です!!と空いてきた帰り道で少しだけ叶と言い合った。
あぁ、早くも今年初の叶とケンカも味わった。
そして
「……先輩ではなかったらあの手はなんですか…」
「なぁに…感じちゃったの?ヤだな……その手」
俺は凄く腹立ってた。
叶は痴漢か痴女に合って、俺は今年初の叶のペッティングを逃した。
触ってきたヤツも許せないし、感じちゃってた叶にも腹が立ってた。
それって俺と変わらないテクニックの持ち主ってことで……ううん違う!!
こんのはどうでもいい俺の感情で、被害に遭ったのは叶だった。
「叶、大丈夫だった?」
少し後ろ後を歩いてる叶を振り返って見てみたら、色の白い肌なのに更に白く……青白くさせて不安そうに身を小さくしていた。
(そりゃ……男でも触られりゃ怖いよね)
男だからこそ言えない部分だよね、俺は半分拒否られてもいいやという気持ちで、
「叶」
「……なんですか…?」
片手を出す。
「叶は『今弱ってる』デショ?手当てだよ」
「………でも」
俺はもう苦笑いしか出来なかった。
「いらない?……叶は大丈夫?」
俺が手を引っ込めようとしたときに、叶は慌てて俺の手をぎゅっと両手で掴んできた。
それがなんだか妙に愛しくて、空いてる片手を叶の頬に当てると叶のデカいビー玉の目からポタポタ雨をふらせて俺の手を濡らした。
「ぅっ…先輩……ごめんっなさぃ……」
「よしよし……泣くほど不安だったの」
他の通行人がちょっとだけ気になったけど『恋人』が不安なら取り除くのが彼氏だもんね、俺は抱き寄せて、叶の泣き顔を他の奴等から隠した。
こうして初詣も初ケンカの初仲直りも手っ取り早く済まてしまった叶と俺だった。
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