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第18話 キミと姫初めへの道程。 3 『初『合意』』
「かなえ……そろそろ泣き止んで?」
さすがに泣き始めて10分は泣きすぎだよー!!
「……っ泣き止むほうほぅ……忘れてしまっ……て……」
「じゃせめて顔上げて、そしたら自然に泣き止むから」
「やっ……ぃやですっ私ぃま……ぐちゃぐちゃっ……」
……ふぅぅん?
「このままじゃ……家に連れて帰れないし、よしじゃどこかで休憩していこう」
俺は叶が顔を上げないのをいいことに、手近な綺麗目なとある場所をに連れ込むことにした。
「叶は下向いてていーよ」
「っ……はぃ」
早く気付かないと本当に入っちゃうよ……。
GPS付いてなくても、どうせ今日やることくらい知ってるよね?
「部屋は俺の好きなとこ選んじゃうよ?」
俺はボタンをポチる。
「……部屋…ですか?」
「あー、叶顔上げちゃった……。でもお金払っちゃたから入るよ?」
「……すぎはらせんぱぃ……ここって」
「泣き止んじゃった。でもしなくても入ってく入ってく」
叶が凄く不安そうに俺に続いてエレベーターに入って来て、俺は階を押し閉めるのボタンを押した。
「杉原先輩……ここは…?」
この辺で部屋って言ったら1つしかないデショ?
「『愛』を『育む』場所でーす」
「……ラブ…ホテルだったりしますか……?」
俺は苦笑いで頷いた。
さすがに叶でも分かるよね?
「……おいで、叶」
何故か最近この言葉には叶は従うような気がしてならないのに気が付いてる俺だけど……俺は卑怯だからあえて使う。
……やっぱし叶は意図もあっさり俺の手を取ってくれた。
部屋に鍵を掛ける。
「叶、祖父ちゃんに『姫初め』聞いた?」
「……はい…でも教えてくれなくて…」
そりゃ当たり前だろう、なんで可愛男孫を男が抱きたいって言ってるなんて教えれるかな?
「『姫初め』って『今年初めてのセックス』ってこと」
「でも…先程杉原先輩は……っしなくても、いいからって…」
急に叶の顔がリンゴのように紅くなる。
「やっぱしたい、叶を抱きたい。」
「っ……恥ずかしいです…」
「そっか……無理強いはしないよ」
俺は叶肩を掴むと、真剣にセックスアピールした。
「俺の寂しかった6日間、埋めさせて……?」
叶の返事は、たっぷりと……間を置いて目を泳がせるまま、
「……してもぃいです…」
「…目ぇ見て言ってよ。本心かどうか分かんない」
きっちりした『合意』が欲しい俺は食い下がりたくないけど……。
「……してください…」
俺はかなえからきっちりした『合意』を受け取った。
………その火照た叶の顔が……堪らなくて、俺の芯が疼いた…。
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