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第4話
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「うううう…なんで助けてくれなかったんですか」
まるで今朝のデジャブのように、フィオレオは新しい安宿のベッドの上で泣き言を言っていた。
「助けただろ?」
「違いますよ!なんで、すぐ!助けてくれなかったんですか!?」
隣のベッドに座りながらしれっと答えたガットに、珍しくフィオレオが声を荒げた。なぜなら、今まで生きていた中で一番と言える程の羞恥と情けなさを感じていたからだ。
森の中で、フィオレオの足を掴んだのは、触手だった。しかも、発情期の雌だ。二人が居た近くの洞窟に巣くっていたようで、そこで密漁に来ていた男達を長い触手で捕まえ、精子を搾取していたようだった。案の定、フィオレオは触手の餌食になってしまったのだ。
「だって、あいつ雌だったから。種が欲しかっただけだろ?いいじゃねぇか、触手プレイ。滅多に出来るもんじゃねぇぞ。気持ちよかっただろ?」
「…そういう問題じゃないです」
「別に俺が捕まってもよかったんだけど、やっぱり魔法使いの精子は違うんだな。全然、お前のこと離さねぇの」
ケラケラとガットは笑う。涙を流しながらじとっとした半目でフィオレオは睨むものの、全く効果はなかった。
確かに快楽は、凄かった。四肢を拘束され、陰茎を滑付いた触手に擦られ、尿道まで差し込まれた細い触手に絶頂を促され、吐き出した精子をグロテスクな生き物に吸い尽くされる。声も我慢できずに何度も絶頂を繰り返して、魔力も搾り取られ、フィオレオは死にかけた。しかも、好きな人の前で、あんな情けない姿を晒すとは。雌だったため、尻を守れたのがせめてもの救いだった。
精を搾り取った後、産卵のための栄養にするため、触手は男達を食べていたようで、触手の後ろには人や動物の骨が転がっていた。フィオレオも喰われそうになったが、寸でで、ガットが銃をぶっ放ち、触手を倒していた。
「まぁ、ちゃんと倒したし、いいだろ?」
ガットが不意に立ち上がり、フィオレオの横に座る。スルッとフィオレオの太股にガットの形の良い手が置かれた。
「…今日は怪我してないですよね?」
「お礼ぐらいしろよ?…それに、触手にイかされてるお前見て、勃った」
「もう今日はイきたくないです」
「俺の中にも種付けしてくれよ…な?」
「ガットっ…」
フィオレオの心中など露知らず、ガットはいつも通りだ。魔法協会で魔力を回復させたとはいえ、さすがに何もしたくないとフィオレオはガットを振り払おうとするものの、あっという間にズボンの前が開けられて、萎えたペニスを口に含まれてしまう。ベッドの上で四つん這いになり、自分で尻を弄りながらフィオレオの陰茎を舐めるガットの姿に、嫌でも興奮してしまう。
しかし、数分してガットの動きが止まった。
「ん?」
「え?」
フィオレオも違和感に声を上げる。
「なんで、勃たないんだよ」
「や…よく分からないです…」
確かに快楽を感じているのに、ペニスは形を全く変えない。その後もしばらくガットが丁寧に舐め続けた。しかし、変化の兆しは一向に現れない。
「えっと…なんかすみません。やっぱり、今日はその…ちょっと無理そうです…」
ガットの眉間に皺が寄り、不満そうだ。ガットの尻は、すでに蕩けてひくついている。
「あの、手か口でしましょうか?」
「いい。尻に欲しくなる」
唾液まみれの口元を乱雑に腕で拭きながらガットはフィオレオを睨む。そして、ニヤッと口元だけ歪ませた。
「明日は覚悟しとけよ?」
そのまま浴室へ行ったガットの背中を見ながら、明日の夜が怖いとフィオレオは顔を引き攣らせた。
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