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第2話

「ここが君の部屋だよ。」 102号室。扉の脇には、俺の荷物であろう段ボールが積まれていた。 扉を開けると、勉強机が二つと大きな本棚が一つ。ベッドが下に一つとロフトベッドが一つあった。 ロフトベッドの背が低めなので、その下にある机に備え付けてある椅子に座ったら頭がついてしまいそうだ。 「奥の扉を開けるとトイレとお風呂があるから。安心して、ちゃんとそれぞれ別だから。」 覗いてみるとトイレもお風呂もなかなか綺麗だった。 部屋も綺麗だし、ここの住人は綺麗好きなのかもしれない。 それなら少しは気が合いそうだ。 「さて、片付けを始めようか。」 鈴木先生の一言で片付けを開始した。 俺の荷物は少なく、1時間くらいで全て片付いた。 「ありがとうございました。」 「いえいえ、クラスに新しい仲間が増えるって聞いて君に会うのを楽しみにしていたからね。」 目を見るに、おそらくそのマスクの向こうで笑っているのだろう。 とりあえず、担任が優しそうな先生で良かった。 「あ、そういえばこの寮の4階には希望制で何人かの先生が住んでいるんだよ。 俺もいるから何かあれば来ていいからね。」 先生も住んでるって、だいぶめんどくさい。 「分かりました。ありがとうございます。」 そう思いつつも一応笑っておいた。 「あ、圭ちゃん! そいつ転校生? 」 目をキラキラ輝かせながらイケメンが近づいてくる。 「そうだよ。まだ分からないことが多いだろうから教えてあげてね。」 「はーい! ねえ、俺は濱口蒼太(はまぐち そうた)。よろしくね。」 手を差し伸べられる。 「佐田光哉。よろしく。」 その手をとり、握手しながら言う。もちろん、微笑むのを忘れない。 「蒼太、先に行くなよ。ってそいつ誰?」 蒼太の後ろから現れたのは凛々しい感じのイケメンだった。 そういえば、鈴木先生もマスクで半分隠れてたけど見た限り顔整ってたしなんだこの学校。 「転校生の光哉だよ! 」 「どうも、佐田光哉です。」 俺が名乗る前に濱口が紹介してくれたが、一応会釈しておいた。 「お前が噂の転校生か。俺は白川莉汰(しらかわ りいた)。隣の103号室に蒼太と一緒に住んでる。 何かわからないことがあったら聞いてくれ。よろしくな。」 隣の部屋なのか。二人ともいい人そうで良かった。

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