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第29話 個室レッスン?
俺とヨセムは現れた人物……ハークに"ポカン"となってしまった。
ハークの微笑みが深くなり、グラスがユラユラと俺の目の前で揺れ始めた。
そして俺がグラスに視線を移した時、ハークが口を再び開いた。
「ん? シュン?」
―パシ
俺は目の前で揺らされたグラスを、思わず両手で掴んだ。
「……シュン、それ……本当か?」
そして俺はトーンの下がったヨセムの声と、夕日を思わせる暗い橙色の瞳がどこか悲し気に俺を見ている事に……ハタとなった。
そ、そうだよ……! ハークは俺に予約指名なんてしてない……!
ど、ど、どうしよう……!?
ハークに着いて行きたいけど、それではヨセムに嘘を付いてしまう。
でも、今のヨセムはとっても怖い。それにこのヨセムと個室は怖くて行きたくない。
猫に決定権があると言われたけど、新人の俺がそれを発揮するのはハードル高過ぎ……!
そんな事をレモンスカッシュのグラスを持ちながらぐるぐるしてきたら、別な声が現れた。
「俺が相手になろうかぁ~?」
ゆったりとした声で現れたのは……
「フィリオさん!?」
「ア……アジアジナンバーワンの赤リボン猫のフィリオ……!?」
緩く笑ったフィリオさんが居て、ハークに何かを呟いた。
「ハークの旦那、これであの貸しはナシね? ね?」
「……分かった。フィリオ、悪いが頼む」
「りょぉ~かいー」
そしてハークから離れ、ヨルムに頭を下げて、
「シュンはこの前入ったばかりの新人で……、勘違いして指名予約を組んでしまったのだと思います。お客様、すみません。今回は俺で許してもらえませんか?」
「え……あ……。……そ、そうだったのか、シュンは勘違いしたのか……。ある意味この場は突然だったし……仕方ないか……な? ……はい、分かりました」
ヨセムの返答に俺は「ごめんなさい。今後、気をつけます」と言って頭を下げ、ハークの服の裾を握った。
俺にヨセムは「良いよ。楽しんだし……またの機会にな、シュン」と許してくれた。
するとハークは俺の背中を押して「さ、行くか」と歩き出した。
俺はそれに着いて行き、気が付いたらカウンターの前に居た。
「シュン、あの客に見られない方が良いか?」
「……うん」
「そうか。……それなら、せっかくだから俺と"個室"を一人で体験してみるか?」
「うん……」
俺の返答を聞いてハークは店長に「個室を頼む」と言って大判にタオルと番号札付きの鍵を貰い、俺に番号を言って歩き出した。
俺は店長に「シュン、今回はハークなのと状況から特別だからな。今後はルアが判断するまで、ルアや他の青リボン猫と個室に行くんだぞ」と言われ、猫シールと薄手の布を渡された。
それを受け取り、更に「そこのカーテンをくぐってすぐの"猫控室"で着替えてから、言われた番号の部屋に行け」と言われた。
俺は店長に「ありがとう御座います」と言ってそれを受け取り、ルアを振り返ったら頷かれた。
どうやらルアも今回は承知したみたいだ。
そしてその視線をヨセムとフィリオさんに向けたら、何だかデレデレと鼻血の治療を受けているヨセムと密かにサイドアップしているフィリオさんからウィンクまでされた。
皆優しい……! ありがたい事にゃ……。
そして俺は言われたカーテンをくぐって猫控室に入った。
部屋には大きな鏡とその前に柔かいラグが敷かれ、棚と籠が置かれていた。
俺は服を脱いで籠に入れ、適当に棚の中に入れた。
ルアに教えられた時は全裸で指導されたけど、お客相手にも同じなのかな?
ルアはお客相手に実践で俺に教えようとしている節があったし、後でルアに色々聞いてみよう。
とりあえず今回は相手はハークだし、ルアに教えられた事をしよう。
そしてラグの上に座って、アナルにシールを貼る為に脚を開いた。
鏡を見て確認しながら自分でシールを貼ってみた。……何となく、大丈夫かな?
よし、次は……この布? 何かな?
「……ふにゃ!?」
俺は渡された布を広げて衝撃を受けた。
こ、こ、これって……
「スケスケのフンドシにゃ!?」
それは紐を前で結んで、後ろから前に布を持ってきて紐に通して下げる簡易的なものだけど、短く小さなフンドシだ。
「~~~ぅ、ぅにゃぁ……っ」
でも、しないわけにはいかないから、俺は……した。
スケスケ……と言っても薄いサラサラした物で、半分透けて肌の色合いがふんわり分かる……みたいな感じだった。
俺は鏡に映る自分に羞恥心を覚えたが控室を出て、素早くハークの待つ番号の部屋のドアを開けた。
中を見たらソファーに腰に大判のタオルを巻いて座ってハークが待っていて、俺は横に行って直ぐに抱き付いた。
「ハーク……! 怖かったにゃ……!!」
「そうだな。でも、もう大丈夫だ」
「うん! ありがとう、ハーク!」
抱き付いた俺をハークは改めて抱き寄せて、背中を何度も撫でてくれた。
俺は瞳を閉じて素肌の触れ合いと体温に安心して、ハークの撫でる手を楽しんだ。
個室だからの素肌同士の状況……お客と更に近くなった感じにゃ。
そして暫くして俺を剥がすと、悪戯な笑みを浮かべて俺を後ろから抱きしめて乳首を撫で始めた。
「……何だ、シュン……あれから乳首をそんなに弄ってないのか?」
「う……うん……」
「元の可愛い色に戻ってるな。俺がまたあの赤い色にしてやろうか?」
「にゃ……にゃン!?」
そう言ってハークは俺の乳首を撫で始めた。
「乳首、好きだろ?」
「んっ……」
ハークに乳首を触られて、俺の乳首とペニスがクンクンと立ってきた。
そして肋骨の下のラインを撫で、脇腹から太腿……内腿へ撫で進めて、内腿の中心近くのきわどい所を往復するハークの手に俺は何度も身体が跳ねた。
その際、俺の猫耳と尻尾が飛び出し、「シュン、魔力制御だ」とハークに注意を受けた。
注意を受けて何とかしようとしたのだが俺の猫の部分は戻らず、戻すのを俺は手放した。
ペニスの近くにハークの手があると思うと、俺はそこに熱の溜まりが増加して布を持ち上げ、その頂点を透明に変えた。
「ははっ……シュン……布が透けてきたな。ほら……ここが赤い」
「にゃ!? ……ンみゃぁっ……」
ハークはそう言って俺の片手を取り、先走りが滲みて透けたペニスの先端の色が濃い部分や窪みを布越しに撫でさせた。
濡れた布越しに熱い先端を撫でさせられ、俺は心臓が跳ねて同時に"ぴゅく!"と先走りが溢れた。
その事により、先端を撫でる度に"ヌチヌチ"とした水音が出始めた。
断続的に身体をゾクゾクと震わせ、先走りを出してハークに操られる手でペニスの先端を撫でさせられる。
しかもその間、ハークは俺の乳首や臍を撫でてくる。
俺は残る手はハークのタオルを握っていた。
「は、はーく……っ……にゃ、にゃぁん……ン、んッ……は、はぁ、はぁ……」
「シュン……涎も止まんないか? 流れっぱなしだぞ?」
「止まんないっ……気持ち良くて、全部止まらなにゃぃ……っ。にゃイッ……にゃぅ!」
俺は涙目で高い声で震え鳴きながら、その行為を受け入れて撫でているのは自分なのに「もっと」と何度も口にした。
そしてペニスの先端を撫でながら幾度も熱い先走りが溢れてくるのを感じ、同時にビクビクと布を押し上げて動きが制限される事にもどかしさを感じてきた。
するとハークが俺の耳元で囁き始めた。
「シュン、ほらココ……窮屈だろ?」
「うん……」
俺の手を操り僅かに強くペニスを撫でさせながら、ハークが猫耳元で囁く。
耳に入るハークの低い声と熱い息に、身体の奥がゾクゾクしてきゅんきゅんして身体がビクビクと痺れる。
「ならシュンはどうすればそう無くなるか、分かるよな?」
「分か……る……」
囁き終わり、ハークはペニスを撫でいた俺の手を放し、臍を撫で始めた。
ハークに見守られながら、自分が"分かる"と答えた事をしたくてたまらなくなった。
だから俺は離された手で濡れた布に指を掛け、迷い無く横に引っ張り……
―ぷるん……!
「これで……窮屈じゃなくなったにゃ……? 正解? ……ね、ハーク……正解なら褒めて?」
避けた布を横に寄せ、俺は立ち上がっている竿部を露出させた。
そしてハークに"褒めて"と強請りながら、俺は露出直後の濡れたペニスの先端の窪みから新たな先走りがトロリと流れ落ちたのを感じた。
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