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第30話 イイコイイコ
―くすっ
「ああ、正解だ、シュン。偉いな。ほら、撫でてやるよ。イイコイイコ……」
「にゃぁん! ハーク……ぅみゃン!?」
そう小さく笑ってハークは再び俺の手……今度は両手を操りペニスを撫でさせてきた。
裏筋を撫でながら先端をクルクルと撫でる様に動かされ、俺は直に触れて生まれたくすぐったいゾクゾクした快感に身体が跳ね、僅かに白濁が飛んだ。
「何だシュン? 軽くイったか」
「にゃぁ……ぅ……」
先端を撫でていた手を持ち上げられると、俺の手と窪みに白い糸が出来た。
そしてその手に付いた白濁をハークが……
「ん……」
―ちゅるっ
「にゃ……!?」
そう、ハークは俺の手の白濁を吸いとったのだ。
ハークは吸い取り、唇に付いたものを舌で舐めとりニヤリと笑う。
そして再び「イイコだな、シュン」と言いながらペニス先端を撫で始めた。
撫でに俺が出せばハークが吸い取る……暫く俺達はこれを繰り返した。
「……ン、にゃ……は……っ! ハーク、俺のがそんなに欲しいにゃ?」
「ああ、他は要らないが、シュンのは欲しいな」
「そうかぁ……俺のは欲しいのかぁ。にゃふふふっ!」
ハークの低い声での答えにゾクゾクした不思議な歓喜が俺の中に生まれ、声が変に弾む。
何コレ、何、この感覚。
すごく甘えたい。デロデロになりたい。
「ハ、ハークぅ……」
名前を言いながら舌を少し出して、上目。
ね、ね? こっちでも近づいて……俺もハークの欲しい。ハークと共有したい。
俺のこの動作にハークは少し驚いて、「駄目だ」と言ってきた。
「ここでのキスは禁止だろ、シュン?」
「あー……にゃぅ……」
確かに……。ダメだった。がっかり。
ハークに指摘されて猫耳ペタンで明らかに気落ちした俺に、ハークが別な提案をしてきた。
「……俺の部屋でなら、良いけどな」
「! 今度、ハークの部屋に行ったらしてくれる?」
「ああ、シュンが良いなら、良いぞ」
「にゃう! 良い! 約束っ!」
ハークとのあの舌を絡ませるキスを思い出して、「にゅふにゅふ♪」と上機嫌でいたら、ハークがまた俺の手を取り、指先をしている様な手で固定された。
その事を不思議に思っていると、指先でペニスの先端の窪みを重点的に突き擦る様に強く触らせられ、小さい動きなのに粘性の水音が"ぐちゅぐちゅ"と大きく広がり出した。
「んぁあん……ハーク、俺の……シッコ穴、弄っちゃヤァ……」
「俺じゃなくて、シュンが自分の指で弄ってンだよ」
「そ、それは……ハーク、がぁ……ッ、俺の指を操ってるからぁっ……」
言い合いながらも指は動き続け、新しい液体を纏い、俺の指先が尿道口を弄る。
そして俺の手に手を重ねて露出させたペニス先端を重点的に弄り倒すこの行為……。
俺は薄々この行為が何に繋がるか分かっていながら、ハークの手に従った。
そしてハークの手で導かれ、俺は準備を完了させてしまった……。
「ぁ、あ、あッ! ハーク、ハーク……俺ッ……イっちゃう……イっちゃう、イちゃ……!」
「良いぞ? シュン……お前の好きなようにイけ……ホラ、前と同じだぞ? シュン、イイコイイコ……」
「にゃ……にゃぁん! やっ……アレっ、恥ずかしぃ……! ……シ……シッコみたいだもん!」
「そうか。でも、俺はそっちでも良いぞ? ここの頭をシュンの手で、たくさんイイコイイコ撫でてやろうな?」
「にゃぁ!? ハークの変態っ!!」
「……くくく、シュン、お前がそういうイメージでいるならそういう抱え方をするぞ?」
「ぅにゃぁ!?」
そう言うと座るハークの太腿の上に、俺を子供が抱えられてするシッコのポーズにしてきた。
膝裏を持ち脚を全開にし、後方から俺の猫耳を唇でなぞる様に撫でてきた。
唇で猫耳をふんわり撫でられた時、俺のペニスにその僅かに触る感覚とが真逆の鋭い快感が刺さり……
「……ぁ、にッ……にゃぁ……あぁあぁぁあン!! 出ちゃ……イっちゃぅ!」
―しゃ……しゃぁあぁぁあっ……!!! しょぁぁああぁぁッ!!!!
そして……俺のペニスが潮吹きを激しく開始した。
ハークの腕の中でビクビクと身体を快感で痙攣させながら、俺はペニスから勢いよく潮を吹き続けた。
「ぅ、ぅにゃッ……! ふみぃいぃん……うにゃぁん……」
ペニスが激しく上下ぷるんぷるんと動きながら吐き出しが続き、前方に透明な水溜りが出来る。
俺は恥ずかしさに顔が……いや、全身の熱が上がりクラクラしてきた。
口からはいつの間にか涎が溢れており、俺は手をハークの腕に置いて、掴んでいた。
「……んっ、く……は、は、はぁ……はぁ……」
ハークは俺が潮吹きをしている間中ずっと耳裏を唇で撫でており、俺のペニスが『ぴゅく!』と最後の吐きを見せて終わると再び耳元で囁いてきた。
「シュン、お疲れ。潮吹き、いっぱい出ていて可愛かったぞ」
「みゃぁう……」
耳元でのハークの褒める声に、俺のペニスが"ぷるん"と揺れた。
そして前方の水溜りを見れば俺がどのくらい潮を吐き出したかが分かり、意外な多さに顔を覆ってしまった。
「いっぱい……出しちゃったみゃ……」
羞恥心に駆られて覆ったまま動けなくなった俺に、ハークは脚を閉じて横抱きにしてきた。
俺はそのままハークの胸に顔を寄せ、「ハークの、変態……」と小声で罵った。
するとハークは「そうだな。お前にだけ、俺はいくらでもそうなるが?」と平然と切り返された。
俺はその言葉を聞いて、何だか分からない妙な胸の高鳴りが生まれ、「ばかにゃ……」とだかえ呟いた。
ハークは俺の言葉を聞いただろうけど何も答えず、俺が回復するまで肩や腕、背中や尻等を撫でて労わってくれた。
俺はそんなハークに甘えもたれて…………疲れたからか眠ってしまった……。
「―……シュン、シュン」
「ぅ……に……?」
起きたらハークも俺も着替え終わっており、部屋も綺麗になっていた……。
「……あれ? 着替えてる……?」
「ああ、俺が洗浄して着替えさせた。部屋の掃除は"呼んで"終わらせといたから。
それとシュン、俺以外でここで絶対に寝るなよ。良いな?」
「うにゃ……。分かった、寝ない。ハークありがとう、あの、眠ってごめんね?」
ハークの声色が後半から重く変わり、両肩を掴まれ覗き込まれた。
確かにお客の前で寝るのは良くないよな。
俺はハークの教えは守ろうと頷いて謝った。
そして俺とハークは手を繋いで店内に戻り、ハークが店長に鍵を返した。
店内に戻るカーテンをくぐるまで個室の脇を通ってきたが、何室か使用されている雰囲気があった。
……防音が確りされているみたいで、中の音は拾えなかった。
戻った店内はそろそろ閉店ムードでお客はかなり減っており、ヨセムは居なかった。
俺はハークに付いて外まで見送りに出て、「じゃぁな、シュン」と振り返ったハークに素早く話し掛けた。
「……ハーク、助けてくれた時……格好良かった! 個室でも……あの、そのっ…………ありがとにゃ! ……おやすみ!」
―ちゅ!
ハークの腕を引いて屈ませ、頬にキスして俺は店内に素早く逃げた。
全身が物凄く熱く心臓がうるさいくらい高鳴ったが、俺はとても満たされて不思議な幸福感に包まれていた。
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