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第37話 朝にゃ!
「…………ここは……ハークの部屋……」
俺はハークの腕の中で妙にスッキリとした気分で目を覚ました。
目の前には、ハークの鍛えられた胸が規則正しく上下していて……。
俺はその胸に擦り寄って再び瞳を閉じようとしたら、寝起きの掠れた声が降ってきた。
「……シュン、起きたか? 気分は……どうだ?」
「にゃぁ! ハークおはよ! 気分はスッキリしてて良好だよ」
「ん……それは良かった……ふぁ……」
ハークは言いながら俺の頭をゆっくり撫でてくれた。
はにゅ。朝から気持ちイイにゃぁ。
再び寝入りそうなハークに"ちゅ"と唇を重ねて、「ハーク、ありがと」と言ってうにゃうにゃ抱き付いた。
ハークは「ん~~……」と言って強く抱いてくれて、出っぱなしの尻尾を撫でてきた。
そしてそのまま尻を撫で……
―ぷちゅ
「にゃん!?」
アナルに指を挿し入れて、出し入れを始めて……。
「ンにゃ……ぁ、あッ! にゃぅ! にゃぁん……みゃん! みゃァぁん!?」
俺はハークにしがみ付いて腰を勝手にカクカク動かしていた。
更にいつの間にか勃起したペニスがハークの鍛えられた腹で擦られ、先走りが溢れて"くちゅんくちゅん"と粘着く音が出てきた。
「な、なんでぇ? ハーク、何!?」
「……シュンが可愛いのが悪い……」
はぁ!? 何だよ、それは!!
そしてそのままペニスを扱かれ、俺は即行でハークにイかされた。
「ぅ……にゃぁあん!! イく……イくにゃぁ……!」
―びゅッ! びゅるッ!! びゅるる……!!
俺はハークの指をアナルで咥えたまま、ハークの腹に白濁を飛ばした。
そして「にゃ……はっ、にゃはっ……!」と涙が混じる声で荒く息を吐きながら、ハークの首筋に顔を埋めてイき痙攣を繰り返した。
イってるのに、指を中で動かしてハークが俺を苛めるから、俺は「かぷかぷ」と首筋を甘噛みして抗議した。
でもそれはとっても威力の無いもので、ハークから「くすぐってぇな……」と言われてしまった……。
うにー!! ハークのバカえろ! 俺は怒ったからな!!
「朝からあんな事するなんて! ハークが全部食べさせてよ!!」
そして俺はハークにオレンジやらリンゴ、バナナ、ブドウ等を剥かせて、ハークに"あーん"を要求した!
最初はフォークで「あーん」だったのが手になり、最後は口移しでばかりで……。
最後の方では酸欠になりながら俺は食事を終えたのだった……。
そうした食事ながらも果物だけで結構お腹が膨れ、食った食ったと腹をポンポンしていたら「アジアジに行くぞ」と言われた。
俺はハークの言葉に出していた猫耳がへにょった。
「……ハーク、怖い……」
トタトタとハークの背中に抱き付き、顔を背中に押し付け左右に振りながら"イヤイヤ"と意思表示をした。
ハークは俺を正面にして、「大丈夫にするから、泣くな。使い魔になりたくないのか?」と言ってきたから、鼻を啜って「なりたい」と答えた。
俺の答えにハークは「よし、それでこそお前だ」と頭を撫でてノルを掌に乗せてくれ、手を繋いでアジアジに俺を送ってくれた。
アジアジに戻ると店長が直ぐに出てきて、部屋は調べて全消毒しておいたと言われた。
そして頷く俺を見た後、店長はハークに話し掛けた。
「ハーク、お前もうウチの用心棒の一員としてアジアジに居ろよ。給料も出すぞ? どうだ? ……ふははッ……くくく……!」
「……何で自分の店で、自分が用心棒として働かないといけない?
アジアジはお前に全部任せて、俺に寄こす売り上げ以外で余裕でそういのを雇えるだろ……」
「はいはい、そうですね、オーナー様」
「茶化すな……ッたく……」
え!? アジアジって、ハークのお店なのか!?
俺はハークと一緒に長い事いたけど、ハークの全てを知っている訳じゃない。
何だか新たな一面だ……。
でも……ハークが用心棒として雇われて……とか想像して、本当になれば良いのという考えに行き着いた。
俺はそんな事を胸に秘め、ハークの手を"きゅ"っと握った。
するとハークが握り返してくれて、何だか俺は本当に大丈夫な気が膨らんで、へにゃとハークに笑顔を向けた。
ハークと店長がそんな事を話し合っていた数日後、なんとヨセムがアジアジの用心棒の一員として雇われる事になった。
しかもヨセムはA級冒険者で、そこそこ名が知れ渡っていた人物だった様だ。
ギルド経由の契約者としてアジアジに雇われた様で、住まいは猫居住区ではなく、近くの宿屋に長期契約して住むことになった。
それから俺はヨセムに再び謝られ、二度とあのような事はしないと頭を床に擦り付けながら言われた。
……まぁ、正直戸惑ったけど、俺はヨセムを許した。
「ヨセムさんには、僕が色々教えてあげますね?」
俺の横でヨセムの謝罪を一緒に聞いてきたルアの言葉に、顔を真っ赤にして俯いてヨセムは必死に頷いていた。
ルアは俺の教育係でもあるけど、もしかして店長からそういう役割を普段から担わせられているのかな?
役職持ちって感じ?
そしてヨセムと別れて夕食をルアと一緒に摂っていたら……
「ね、シュン……この前ハークさんと個室に行ったでしょ?
今度、僕指名で個室予約されているから一緒に行って色々教えてあげようと思うんだけど、良いかな?」
おお……! 実践個室授業!!
ヨセムの件で気落ちしている場合じゃないな!
新しい事に挑戦して、気持ちを上げてこう!!
「うん! お願いするにゃ!!」
俺はルアの申し出に大きく頷いた。
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