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第47話 ゼロ

俺の言葉にハークは一度唇を重ねてから、俺のアナルを塗らした二本の指先で撫で、"クプ"と押し入れて来た。 指が内壁を触り進んでくる感触に、俺の口から勝手に「ぁ、あ、ぁ……」という言葉が零れていく。 ハークの指が根元まで埋まり、スリスリと内側を触られている事に俺の中に不思議な歓喜が生まれた。 上機嫌で「にゃぁ……ハーク、きもちぃ……」と蕩けていたら、少し低い……探るようなハークの声が俺に降ってきた。 「……指二本がすんなりか。……随分柔いな、シュン……?」 ……何? ハーク、その理由が知りたいの? 「それ、は……ノルを"ゼロ"にして……何回か……。んと、最近も……使ったから……」 「……なっ……!?」 言ってて恥ずかしくなってきた……。 「お前……"ゼロ"を使っているのか……?」 「うん」 「それが……何か、分かって……」 「わ、分かるよ! ハークの……だろ!?」 恥ずかしいけど、俺はハークを見つめて答えた。 そして……身体が固まった……。 ハークが……ハークが…………怒っている……? 「シュン……次の休みにノルを持って来い」 「え……何で……」 「ゼロの役目は終わりにする」 「どうして? ハークが俺に用意してくれたんじゃんか!」 「それは……あの後、万が一ぶり返してお前が辛くなったら……と考えて……」 「―……なら、ホンモノくれたらゼロは消して良いよ。じゃないとゼロはこのまま俺の!」 ……さっきは驚いて動揺してしまったが、それを通り過ぎたら段々怒りが湧いてきた。 俺は言葉の意味をあまり深く考えずに、挑発的に口にした。 するとハークは怒りの中に驚きが混じる表情で俺に聞いてきた。 「シュン、ゼロを受け入れる意味が分かる……」 「わ、分かるよ! ハークのだもん! ハーク、そうでしょ!? ねぇ、ハーク、ゼロは入ったんだよ? ハークのも俺に入るよ? それにゼロは気持ちイイの……俺からゼロを取り上げるなら、ハークのを頂戴……」 言葉をわざと被せて、俺は捲くし立てながらハークに抱きついた。 そしてハークの股間に手を伸ばして……ハークのペニスを撫でた。 すると俺の手にハークから出た熱い液体がつき、そのまま伸ばし、何度も塗りつけた。 ゼロじゃないハークが欲しい……俺の本能が求めている。 ハークの熱いペニスで……ホンモノで摩ってもらえば、もっと気持ち良くなって心も身体も満たされると俺には……分かる。 だから、欲しい。 前にハークは何だか……"気持ちの問題"で俺のナカに来るのを止めてしまったけど、今、この気持ちなら、くれるよね? まぁ……俺が怖がったのも、問題だとおもうけど……さ。 けど、それを乗り越えて……俺は乗り越えたと思うんだ、ハーク! ハークのペニスを触りながら猫の尾を出してハークの腕を撫で、甘えるように巻きついた。 猫の耳も出して、ハークの胸に頬をすり寄せておねだり。 するとハークが…… 「―……止めろ」 「ハーク……?」 「お前は分かってない……。お前が大事なんだ、シュン……」 そしてハークは俺の手をペニスから離し、キツク抱いてきた。 後頭部を何度も優しく撫でられ、抱き締められている内に俺はハークの体温に安心してしまい、怒っているはずなのに……意識を緩やかに手放した。 ―シャー……シャー……シャ――…… ……俺はシャワーの音で目が覚めた。 そして自分の居る所がクッションの上ではなく、全裸でベッドの上……匂いから、ハークのベッドだと分かった。 ……布団の中に居るのに、寒い……。 ボンヤリした意識の中でそう思い伸ばした手の先に、ハークが居ない事に気がついた。 「…………」 シーツはよれているのに、何も無い空間。 俺は思わず泣きそうになった。 でもそれは悔しいから……下唇を噛んで耐えた。 俺はぐちゃぐちゃになった。 ぐちゃぐちゃになって、明日の朝アジアジに帰る予定を変更して、今帰ることにした。 ベッドから飛び降りて近くにたたまれていた服を着て、わざと足音を派手に出して外に飛び出た。 外は夜で……大分遅い時間なのか、家の明かりは少なく冷たく静かだった。 ……まぁ、戻った……という表現より、ここは『逃げ帰った』の方がしっくりくる……。 …………俺が出て行く間シャワーの音が消える事は無く、ハークが姿を現す事もなかった。 そして…… 次の休み、俺はハークの家に戻らなかった。 アジアジの共有スペースでルアや仲間達とアクション、アニメ、ホラー……とにかく沢山映画を魔道具にセットして見た。 鑑賞するのに色んなポップコーンを作って、飲み物もちゃんと用意して……。 クッションや仲間に抱きついたり、ゴロゴロしたり……とにかく皆で騒いだ。 そして夜遅くまで騒いでから部屋に戻り、ノルと一緒にベッドに潜った。 ベッドの中でノルを撫でながら「ゼロ」と指示を出す。 すると俺の手の中に、ハークと同等の……。 俺は現れたそれを暫く見つめてから、先端の窪みに唇を寄せた。 これはノルだと思いながらも、そこへ舌を伸ばしてなぞる様に舐めた。 何も出てこない、味もしないそれを舐めていると、ノルが小刻みに震えだした。 ……俺の唾液……食事と同じ効果があるんだったな……。 そんな結論に行きつきながら、俺は今度はカリ下や裏筋を舌全体で舐め回した。 唾液まみれになってくノル……ずっと喜んで震えてる……。 暗闇に慣れた瞳でゼロの形のノルを改めて見、撫でる。 「…………俺の、にゃもん……ハーク……」 ―……ハークの家には戻っていない。だからゼロはそのままだ。 そして俺は布団の中で寝間着代わりのロンTを捲り上げ、唾液に濡れて震えるノルで交互に乳首を押し、先端で撫で捏ねた。 ヌチャヌチャとした濡れの滑りと小刻みな振動の刺激に、俺の乳首が硬く尖り、息が熱く濡れて来た。 「にゃ……は、は……ッ……、ンにぃ……い~~……!」 暫くそうしていたら自分のペニスが昂り、先端から何かが流れ出た。 俺はその感覚に慌てて布団を飛ばし、下着を脱いだ。 すると抑圧が無くなった事でペニスがぷるんと上向き現れ、剥け出ている先端の窪みから先走りが溢れていた。 下着を確認したら一部に濡れたシミが出来ていた。……遅かった……。 そして俺はピクピクと動いている自分のペニスとゼロを比べてみた。 「俺よりおっきいし……太い……」 やはり自分とは違う。俺より大人なペニス……。 俺はまだ震えるゼロの先端を…… 「……にゃ、は……! はにゃぁ……ああァ、ア、ぁッ!!」 自分の先端に擦り付けた。 「ハーク、ハークぅ……」 その名前を呼びながら瞳を閉じ、その姿を思い浮かべて行為を続けて俺の中に……錯覚を生み出す。 行為をしながら名前を呼ぶのに、戸惑いが生まれなく、むしろどんどん溢れていく。 俺は溢れるこの感情の元が"何か"を無視して、ハークを心のままに呼び続けた。 そしてクチュクチュ、グチュグチュと俺の先走りをゼロの先端に擦り付ける事で"摂取"が起こり、ノルが歓喜の震えを強める。 すると俺から溢れ出す量もどんどん増え、ノルの摂取が追いつかないほどになってしまった。 ノルはノルで俺の窪みを塞ぎ僅かに内側に自身を伸ばし入れて、対応しようとしているみたいだが、基本はゼロの形だから先走りがどうしても隙間から零れていくのだ。 ブルブルと震えるノル……ゼロからあたえられる快感に俺は涎と涙が止まらなく、その変化に悶えまくった。 しかもその高まっていく快感が"怖い"と感じながら先端への擦りが止められなく、むしろ"ぐりぐり"と強めて……イジメて……イジメて……イジメて………… 「~~~……ん、ン、んにゃぁ、ア、あ、ぁ、あああぁあああッ!! イ、く……にゃ……ンんんンっッ!!!!?」 ―ぶびゅ……! ブシ……!! ぶしゅ! ぶしゅ……ぅううぅぅぅうううう!!!! ……俺の苛め抜いたペニスの先端から透明な液体…………"潮"が高く噴出した……。 潮がぶるんぶるんと動くペニス先端から放出されている間、俺は意識が白く飛ばして足先をピンと伸ばしてイき痙攣を繰り返していた。 そしてアナルが"きゅんきゅん"と小刻みに震え、甘い鈍痛が俺のイってるペニスを更に苛んで来た。 俺は生まれた大小様々な快感に小さく「んぁ、ぁ、あ」と甘くイっている声を繰り返しながら、猫の耳や尾がピクピクしているのに気が付いた。 ……猫の部分が勝手に飛び出してしまったのか……。 そして潮が終わり、少し放心してから自分のペニスを見ればノルがゼロかの形を崩して先端を覆って……残りを採取していた。 普段の丸い形になり、体内に水分が溜まっている……。 俺はノルを自分の何も出なくなったペニスから離し、枕元に置いた。 するとノルはモゾモゾと動きだして、俺の部屋を這いずり回り……どうやら"採取しながら掃除"を始めたみたいだ。 俺は全裸なままベッドに仰向けになり、欠伸をし…… …………布団を掴んで猫に戻り…………丸まって寝た。

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