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残り火2nd stage 第2章:波乱万丈な夏休み6

***  くちゅくちゅという水音と、ふたりの吐息が部屋の中に響いていく。 「んぁっ……はっ、あぁ……んっ」  自分が上になって穂高さんにキスしているのに、入り込んでくる舌先が俺の感じる部分を責めたてる。そんな彼の舌から逃げようとしたら、左手が俺の頭を押さえ込んできた。それだけじゃなく、逃げかけた下くちびるをきゅっと甘噛みされてしまう始末。 「はぁ、も、やめっ……んくっ!」  押さえつけられた勢いで前歯が当たったのに、そんなの無視して貪るようなくちづけを続ける。出入りする舌が上下するたびに、下半身にじんじんと熱がこもっていった。 「せっかく千秋が上になっているんだから、もっと積極的になって欲しいのだが」  息も絶えだえ状態の俺と正反対の、妖艶な表情を浮かべた穂高さん。余裕ありすぎだよ。 「積極的って言ったって、その……」 「じゃないと下にいる俺がどんどんズレて、千秋の感じるところをもれなく、どんどん気持ち良くしてしまうかもね」  言いながら人差し指と中指を口に含んで、意味ありげに見せた。それを2、3度口から出し入れし、俺の割れ目にゆっくりと手を持っていく。 「あっ……や、…だぁ……っ、ソコは――」 「千秋が動いてくれたら、この手を止めてあげる」  気持ちイイところをそんな風に動かされて、止められるワケがない――快感に浮かされた身体は更に快感を求め、自然と腰を上下させてしまった。 「俺のお口がお留守になってるよ、どうして欲しいんだい?」 「あっ、あっ、ん……くぅっ――」  四つん這いで穂高さんの顔の上に胸元を移動させ、勃っている乳首をぎゅっと口に押し当てると、音を立てながら舌先でぺろぺろしてくれた。 「あ、あぁぁぁぁ……ん……ぅ!」  こうして舐められながら、たまにじゅるっと吸い上げられるのが、すっごく気持ちいい。 「ほら、もっと気持ちよくしてあげるから、遠慮せずに身体をズラしてごらん。千秋のを咥えてあげるよ」  その声に導かれるように身体をビクつかせながら、穂高さんの顔の上に大胆に跨る形でスタンバイした。  宿の部屋の中は窓から朝日がさんさんと照らしているので、俺のハズカシイ姿は更に羞恥心を煽ったのだけれど――それ以上に穂高さんがしてくれる行為が堪らなく嬉しくて、気持ちよさに身を預けてしまう。  俺自身を美味しそうに、口に含んで舐めあげる。同時に後ろの蕾も責めるので、どうしても腰の位置が高くなった。それなのに、そんなのおかまいなしに舌を絡めながら、先っぽをじゅるじゅると吸い上げられ――。 「あっ、はぁっ、……穂高さ……ゃぁぁぁんっ!!」  もっと奥まで咥えてほしくて、足に力を入れた瞬間だった。 「ひゃあっ!? ああぁ、足がっ」 「千秋っ?」  いきなり左足がつって、その痛さで今までの快感が全部吹き飛んでしまった。  痛さでひぃひぃ喚く俺を宥めるように、起き上がってゆっくりと左足を擦ってくれる穂高さん。ナニのケアから足のケアまで、お世話になりっぱなしだよ。 「大丈夫かい、千秋?」 「ううっ……すみません。せっかくのイイところを台無しにしちゃって」 「いいんだよ。今度は俺が上になるから、千秋はそのままでいてくれ」  そう言って、足の甲にキスを落とした。  そのあとは言われた通り俺は下になり、さっき以上に気持ちよくしてもらってから、一緒に展望露天風呂へ向かったのだった。  あまりの事態に、顔の火照りが取れない。……ハズカシすぎるよ。

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