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繋がる空8

黒目の大きな瞳。白い肌。 手を取られて繋いだ手の大きさ。 でもむき出しになった肩の細さといい、この人は女性だ。 昔、高校生の頃一度だけ見た女装したはると瓜二つだと思った。あの頃のはるにそっくりなんだから。 アニメ見たいに目をこすってもう一度よく見る。 隣に座った顎のラインといい、浮き出た鎖骨の形といいはるそっくりだ。 足元を見ればドレス切れ目から覗くふくらはぎの辺りのゴツゴツしていない足。はるはどんな感じだったのか思い起こす。 ただ一つ違うのは胸に膨らみがあるってこと。 「そんなに見つめないでください、恥ずかしいですから」 溢れた声はハスキーで息で話てるようで、さっきボーイが言っていた事を思い出した。 「すみません、知人によく似ていたものですから。ご病気だったとか、もう大丈夫なんですか?」 綺麗な指先でウエットタオルを渡してくれる手をさりげなく触って感触を確かめる。すべすべの肌に綺麗に塗られたマニキュアが映えている。 手の大きさもよく似ている。 はるじゃないのかって疑ってしまう。それだけはるを欲している自分に溜息を吐いた。 どう見たって彼女は女性だし。胸元はドレスで隠れているけど不自然な感じはしない。 それを受け取れば、首を傾げた彼女が優しく微笑んでくれた。 「もう大丈夫なんです。喉だけ回復遅くて。私、seputoのファンで、内田様からモデルのあきら君を知ってるってお聞きして・・・お会いしたいってわがままを言ってしまいましたから」 恥ずかしそうに俯きグラスに氷をいれる様子を見ていても俺が来るからって無理して仕事をしている風にも見えなくもない。 でもその横顔もやっぱりはるに似ている。 世の中にはそっくりな人がいるっていうけど、ここまで似てると、ふとした表情にはるの面影を追いかけてしまう。 「seputoのファンなんですね。ありがとうございます。これも内田さんの差し金かなって思ってます。とんだサプライズだ」 はるに似たこの人に癒してもらえってことはそういうことだろう。 代わりでもひと時の時間を癒してもらいリフレッシュしろってことなんだろう。 だけどそんなの逆効果でしかない。はるにそっくりなこの女性にはるを求めても、彼女ははるじゃない。 募る想いが増すばかりだよ。

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