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繋がる空14

着替えを済ませて内田さんは店の外まで見送ってくれた。 『駅まで送ろうか』って言ってくれたけどやんわり断った。 俺のことを思いながらあきが独りで帰って行った道を歩きたかった。 きっと俺のことを想って帰っていった。だから俺もそうしたかったんだ。 同じものを見て同じ気持ちでいたかった。 拗れてしまった気持ちを、またあの頃のように触れる程近くで微笑んでくれるあきの顔を思い出しながら歩きたかった。 繁華街を抜けて大通りを目指す。帽子を深く被ってマスクをして。 風邪が悪化してなかなか治らない。ベッドはいつも冷たくて温めてくれる体温もない。 こんな風邪にやられる事なんていままでなかった。 あきがいれば・・・何度もそう思った。 自分でも引きかけたことさせ分からないうちに気付いてくれて未然に防いてくれてたから。 引いてしまった風邪はなかなか俺の身体から出ていってくれない。 弱ったのは身体だけじゃなくて心もだった。 ・・・コンビニ寄って暖かいもの買おう・・・ 駅の近くにあったはず。重い身体と潤った心で足を早める。 コンビニの照らしてくれる看板が目に入り、ゴールが近くなったからなのか少し速度を弱めた。 『あれ、お姉さん。もう仕事終わったんですか?』 聞き慣れた声が聞こえる。その方向を見ればコンビニの隣、薬局の入り口には・・・ 俺を潤してくれた愛おしい愛する人が立っていた。

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