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繋がる空19
「痩せたね。ちゃんと食べてる?」
首筋にキスをしながら何かを呼び起こすような身体を這う指先がぞわぞわと肌を粟立たせる。
俺だってあきが欲しい。今すぐ何もかも脱ぎ捨てて抱いて欲しい。
だけど、頭の隅にモヤモヤと黒い渦を巻く罪悪感。
それが大きく音を立てて苦しめる。
「あき・・・話があるの」
セーターの裾から素肌の触れた手を掴む。
「何?やっとこうやってはるを抱けるのに今聞かなきゃいけないこと?」
苛立つ様子を言葉にしても触れる指先は優しい。
だけど今言わなきゃまたタイミングを逃してしまう。
「俺・・・向こうでストーカーされてる」
「ストーカー!?」
這い回る指先も唇もピタリと止まる。
脇に手を差し込まれ反転させようとした手に自分から向きを変えあきと向き合った。
まっすぐ見つめる瞳。吸い込まれそうな綺麗な目に視線を逸らした。
「はる」
それを許してはくれないあきは頬を撫で後頭部に手を回す。ホールドされれば目の前のあきしか見ることが出来なくなって、戸惑いながらもまた、あきの目を見つめることになった。
「誰に?知ってる人?」
「・・・スタッフの子」
今時の子ははっきりとものを言う。
まして美容師を志し、自己主張の強い子達の中で、何を言っても言い返す厄介だと思った子。子っていうくらい彼はまだハタチそこそこの駆け出しなんだ。
きっかけは些細な受け答えの俺の言った言葉から始まった。
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