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第4話
まだ少し濡れている哲生のモノの先を特に念入りに拭くと、敏感に感じたらしく哲生は目を閉じて切なげなため息をつき、東吾の頭に片手を突っ込んで髪の毛を掴んだ。
東吾は身体を起こすと、哲生の頬に両手を当てて、深く長いキスをして言った。
「佐倉、一緒に東京行こう。俺と東京で暮らそう」
眉を寄せ、しばらく黙って東吾の顔を見ていた哲生は、次の瞬間吹き出した。
ひとしきり笑った後、唖然としている東吾の頬を軽く叩いて言った。
「冗談言うなよ。俺たちのこんな関係、今だけに決まってんじゃん。さっき言ったろ?俺はここで大学行って、就職して、結婚するって。お前も東京行ってエリートになって、バンバン出世して、どっかの金持ちの可愛い娘と結婚するんだ。俺とお前は、この先生きる世界が違うんだよ」
「佐倉、そんな…」
言葉を継ごうとした東吾の口を、哲生が自分の唇で塞いだ。
「俺ら、身体の相性がすげーいいセフレだ。それだけだ」
東吾を胸に抱き寄せそう囁くと、あっけにとられている彼の顔中にキスをした。
笑われて傷ついた様子の東吾を哲生なりに慰めるつもりで、彼の鼻先にキスをしていると、ぐっと頭を掴まれて、乱暴にベッドに押し倒された。
身体を拭かれた刺激で硬く尖っていた哲生の乳首を東吾はきつく吸い上げると、さっき自分が拭いたばかりの哲生の両脚をぐいっと開いた。そして哲生を責めるように、いつもよりほんの少し乱暴に自分のモノを押し込んだ。
外は、傾きかけた太陽がオレンジ味を帯びた日差しで、西側から地上をジリジリと焼いている。
うるさく鳴くミンミンゼミが、哲生があげる色っぽいうめき声をかき消していた。
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