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第8話
次の日も、学食でラーメンをすすりながらふと目をあげると、こちらをじっと見ている東吾がいた。一重で切れ長の目が印象的な、ハンサムな東吾に見つめられて哲生は妙な気分になり、戸惑っているとまた向こうが先に目をそらした。そのまま、何も知らない素振りで隣の友人と話し始めた。
「なんだよ。変なヤツ」
哲生は東吾の視線に困惑し、プリプリと腹を立てていた。
その後も何度か東吾と目が合ったが、彼から特に何のアクションもなかったので、哲生も気にはなるが放っておいた。
二学期の体育の授業は、ハンドボールをやる事になった。バレーボールとの二択だったが、ボールを腕でレシーブするのが痛そうという理由で、バレーはパスされた。ハンドボールも、ルールを簡単にさらってみると、バスケットボールによく似てはいたが、バスケほど面白そうでもなく、まだまだ暑い体育館の、バレーボールよりかなり広いコートを走り回るのかと思うと、げんなりし、哲生たち生徒の足取りは重かった。
暑さにうんざりしながらだらだらと体育館に行ってみると、コートの中に東吾が立っていた。
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