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二十五話『抵抗にもならない』
「相川、ガムテープ寄越せ。」
松尾が手渡されたガムテープを朝比奈の立てた右膝に巻きつける。 大腿と脹脛を纏めて拘束し抵抗を削ぐ。折り曲げられた足を外側に向けて押せば、朝比奈が頑なに隠そうとしていた場所が露わになった。 左足から膝を退け腕に抱え込み大きく割り開かれた足の間に手を伸ばす。
「――っ」
指の背がそっと触れて柔らかく下着越しに性器を撫でた。
途端に朝比奈の顔色が変わる。
さっと色を無くし、家庭内害虫でも踏んだ様な顔を見せた。
「お前オナニーしねぇの?」
「っ…ふぁ…」
「ちょっと突いただけなのに、感じすぎだろ。」
「断じて違う感じてないっ感じてなんかいない」
松尾の指は触れるか触れないかのソフトなタッチで性器をなぞる。
愛撫と呼ぶには随分と 緩やかに優しく刺激を与える。
それでも、刺激が強いのか朝比奈の体は引き攣れるように震え、時折びくりと腰と足が撥ねる。
「オナニーしてねぇなこれ。」「まじかよ。俺なんて毎日してるけどお前本当に男か?お坊ちゃんって性欲の無い新しい人種か何かなの?」
「…のっ…万年発情期の、腐臭、漂うゴミと、…一緒にするなっ…ひっぁ」
ニヤニヤ笑いながら、半田が朝比奈の項を吸う。
小さくリップ音を立てながら髪の毛に鼻先を埋めて、滑らかな線を描く首筋 を滑る舌でなぞりながら、ゆっくりと耳朶へ這い上がる。
「汚いっ止めろヤダ」
骨の尖りを吸い耳殻を口に含み、伸ばした舌が耳の中へ入る。
唾液を絡ませた舌が淫靡な水音を立てながら、朝比奈を責め立てた。
半田と指を絡ませ握りこまれた両手を、振り解こうと力を籠めるが跳ね除ける程の抵抗にもならない。
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