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二十六話『興をそそる戯れ』
「あっやぁ…半田っやめ…やだ耳…嫌だ」
「半田ばかりじゃなくて、俺の名前も呼んでよ。」
「松尾は朝比奈に乱暴したから嫌われちゃったんだよ。俺は酷い事はしないからな。」
「どちらも、だい、嫌いだっ…」
「痛い思いさせたから今度は気持ち良くなろうな?」
「ひぁっ」
松尾が人差し指から薬指までの三指を器用に蠢かせる。
薄い下着越しに、熱を秘めた場所を鍵盤を弾くように一指ずつばらばらに動かし優しく叩く。
柔らかく凹凸を見せる、朝比奈の中心部を指先で引っ掻くと白い喉を晒し仰け反った。
「あっアッヤぁ…そこは…」
「何?」
いやいやと首を振る。 とんとんと叩き円を描き時折柔らかな弾力を指で押して弾いて、 理性を残したまま足元を崩していく。
「ん?少し湿ってきたな。」
「はっはぁ…あっ、…ぜっ、たい‥っぁ――殺してやるっ。」
「殺してやるってっははは。松尾クーン。朝比奈に死んじゃうって言わせんだろ?どっちが早くエロいこと言わせるか競争しようぜ。」
唇を噛んで顰めた眉が下がり痛みをこらえる様に、頼りない表情へと変わる。
かみ殺しても漏れる悲痛な声。
今にも手折られる花の如き風情に、まともな人間で有れば罪悪感で指一本触れる事が出来ないはずだ。
「どっちが早くイかせれるかの方が楽しくね?」
「じゃぁ、どっちが多くイかせれるかは?」
残念ながらここにまともな人間はいない。
焦燥にあがる呼気も怒りに上気する肌も辱められて歪む表情も、押さえつけられてもなお繰り返す抵抗も。 何もかもが興をそそる戯れに過ぎない。
朝比奈の言う通り動物並の欲望と理性しか持たない鬼畜しかいない。
抵抗は尽き、体を弄られて必死に喘ぎを殺す事しか出来ない。
救いの手など伸ばされる事はないのだから、自らの身を守れないならこのまま弄ばれるだけだ。
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