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三十一話『二つの唇と指先』
「松尾にされるのと俺にされるのどっちが感じる?」
左側の胸を後ろから弄り、親指と中指で乳首を摘まんで人差し指の腹で擦りながら立ちあがった先端を押しつぶした。
赤く腫れ過敏になった胸への刺激に噛みしめた唇から呻きが漏れる。
松尾が右手を胸から足へと移動させ、額を鎖骨に付ける様にして胸元へ唇を寄せる。
「あぁっ」
中断した性器への愛撫を再開し、伸ばした舌先で突起した右の胸をつつく。
優しく舌で包み咥内で転がすと甘噛みし唾液と共に吸い込む。
「っう‥やっぁ…あっ」
犬が水を舐めるような音と、時折肌に吸い付く音が絡む。
朝比奈が瞳と唇をきつく閉ざし、苦悶の表情を浮かべた。
「半田、触ってみろよ。濡れてるぞ」
「二点攻め何てお前そらぁ狡いよ。俺の方が不利じゃん。」
例の「何方が先に逝かせる事が出来るか」という遊びだ。
「そう?半田の指テクに乳首ビンビンだし朝比奈もマンコ濡らしてるって。」
「マンコはマンコでも濡れねぇじゃん。クリのほうだろ。」
「じゃぁ、クリチンポ濡れ濡れだって。下着ぐしょぐしょだぞ。朝比奈何か言えや。 あんだけデカイ態度取っといて、何だお前クリチンポ大洪水じゃねぇか。マンコも弄ってほしいかよ」
「…あっ、は…ぁ…ま、マ…ンッ」
「ん?何だ?」
途切れ途切れの言葉を繋げてみれば「マンコとクリチンポって何だ?」だった。
朝比奈をサンドイッチ状態にして松尾と半田の間に微妙な空気が漂う。
馬鹿だこの人。
自分からエロい事をしてくれと言うようなものだ。
「女の子の穴とおチンチンってことだよ。」
半田の言葉に「ここが、クリな」と松尾が指を伸ばし、性器の先をなぞりながら半田の言葉に補足する。続けて 「ここが、おマンコ」と撫でながら湿った下着越しに尻の間へ爪先を食い込ませた。
「ンっ――俺は男だし、第一女性器と男性器は別物だ。」
「おマンコ」は分からなくても「おちんちん」は分かるんだ。
相川は少し驚く。
何とか呼吸を整え、「お前達は救いようのない馬鹿だ」と続ける。
――この状況で、まだ悪足掻きをするのか。
性格は簡単には治らないと言うが、この状況でも口を開けば繰り出されるのは嘲りと挑発。
大物と馬鹿は紙一重というやつか。
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