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二十八話『欠伸交じりに頷く』

「なに、松尾にチンコ触られて気持ちよくなっちゃって満足したのお前。 大体撫でられただけで満足するなんて餓鬼くせぇなぁ。」 半田がケケケと笑う。 松尾はやれやれと首を左右に振り、半田が捉えた朝比奈の両腕から左腕を掴み掌を合わせる。 「時間は巻き返せないし無かったことに出来ないのだから、 取り敢えずお前ら二匹は今すぐ土下座して謝罪しろ。そのあとで首を吊れ。死んで償え。 おい、何だその手の繋ぎ方は不愉快だ。すさまじく気持ちが…わっ」 指を絡ませ、恋人のように繋ぎ手を引いた。 朝比奈の手の甲に唇を寄せて、松尾は肌の肌理を確かめる様に舌を這わす。 「っこのっ‥汚物がっ汚らわしい許可なく触るな殺すぞ。 このセリフは何度目だ?短期記憶能力に問題が有るんじゃないのか?海馬の機能低下が疑われる。そうだそうに違いない。 おい、その舌をひっこめろ。触るな舐めるな汚いと言っている。 同じ事を何度も言わせるなんてお前の脳味噌は昆虫並みなのか?無脊椎動物共め。 有っても無くても同じ程度の脳と100万程のニューロン数しか持ち合わせていないからこんな馬鹿げたことをしてるんだ。 おい害虫共人間に進化したいなら手を放せ。」 「なぁ、人間よりデカい脳もってるけど、馬鹿な動物いねぇ?」 虫の脳は意外に高機能だと思うが、言いたいことは分かる。一方的に好きにされる朝比奈の心境も理解できない事はないので相川は欠伸交じりに頷く。

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