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第7話

 (じゅん)と名乗った少年は、家までの道すがら、夢野博士と楽しそうに会話していた。  博士が童心の塊だからか、年齢は全然違うのに(多分20歳くらいは違うはず)、意外にも話が盛り上がっていた。 (それにしても、博士と話が合う人がいるなんてなあ……)  直人なんか15年も一緒にいるけど、未だに8割近く言っていることがわからない。  どうせ理解できないから普段は「はいはい」と軽く聞き流しているのだが、ああやって二人で盛り上がられると自分だけ置いてけぼりになったみたいでちょっと寂しくなる。 「ところで、博士は他にどんな発明をしたんですか?」 「いろいろあるよ。『いつでもどこでも虹を作り出せる機械』とか『声でチャンネルを変えられるリモコン』とか……この間作った『ゾンビ・パウダー』なんか傑作だったけどなあ」 「ゾンビ・パウダー? それって、人間をゾンビにする粉のことですか?」 「うん、そう。どこかの本に書いてあったから作ってみたんだ」 「作ってみたって……そんなの作っちゃって大丈夫ですか? 変な人に悪用されたら……」 「大丈夫でしょ。直人くんが厳重保管してたし。ねえ?」 「……え?」  急に話を振られ、直人は我に返った。  博士はかまわず話を続けた。 「直人くんはこの通り平凡で面白味のない人だけど、発明品の管理は上手だからね。世に出していいものは商品化してくれるし、ダメなやつは倉庫にしまっておいてくれる。なんだかんだでつき合いも長いから、私の性格とかもよくわかってくれてるんだよね」  『平凡で面白味のない人』というところに凹むべきなのか、『よくわかってくれてる』というところに喜ぶべきなのか、直人には少々わかりかねた。  結局博士は、俺のことをどう思っているんだろう……。 「へえ、そうなんですか。いいですね、吉田さんみたいな人が側にいて」  純がこちらに目を向けてくる。

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