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第3話

どうして学校に行くのか全く理解出来なかった。連れ帰りたいならわざわざ祖父と繋がってる学校に来る必要なんてないのに。 いや一緒に帰るつもりなんて毛頭ないけど。 朔はささっとおれの手首と襟のボタンを直して車を降りた。 「......父さん、どうしてここに?」 「親子プレイするのか?恋人プレイの方が嬉しいんだが」 涙を乱雑に拭い、車から降りた瞬間にすねを蹴っておいた。だれが親子プレイ、だ、元々親子だろ。周りの目を考えて......いや運転手さんにはもう意味無いけど、朔が変な目で見られないようにしてやってたのにプレイとか、酷い。 「なんで、学校に、来たの!」 車を止めたのは教職員用の駐車場だから、辺りに生徒がいないのが救い。 「...ちょっと」 「教えてくれないんだ」 「朔くん痴話喧嘩は後にして行きましょう?」 教えてくれないことにムッとした矢先痴話喧嘩と言われ違う!と反論した。朔から離れなきゃいけないのにさらに深みにハマってる気がする。 相変わらず、学校にあるのが不思議なエレベーターに乗って教えられないまま移動する。 「なぁどこいくのってば」 「...まぁ、ちょっと」 「なんで、教えてくれないんだよ!」 教えてくれたっていいのに、と不満を持つ。いきなり連れ去られて車に乗せられて学校に来て、意味わかんない。 「朔...おれ、榊田に帰るって言ってる」 「ああ、言ってるな。思ってもいないことをつらつらと」 「おもって、る!」 「思ってない。帰るっていう度に泣きそうな顔をするのはどこの誰だ」 「してない!」 運転手さんがいるのも忘れて言い合う。朔に手首と首の傷を見られたのがいけなかったんた。 「榊田の方が居心地いいし、学校楽しいし、朔と離れられるし、それにーっ」 「ああそうか......、じゃあその怪我はどこでしてきたんだ!!!」 エレベーターの壁に腕を叩きつけ怒鳴られ、ひっと、竦み上がった。言葉を飲み込んでしまう。 「首絞められて、手縛られて、どうせ足にも縛られた痕があるんだろう!!」 「あ、あ、あと、なんてっ」 「あ?」 痕なんてない、と最後まで言わせてもらえなかった。言ったら、視線で殺されそうと思った。 「.........家帰ったら服、剥ぐから覚悟しろ」 「そ、それは!」 「うるさい、返事しろ」 今までかつて、ここまで怒った朔を見たことがあっただろうか。 「...返事」 「は、い...わかり、ました」 答えは、ない、だ。 エレベーターという狭い空間から開放されたのは三階に付いた時だった。 三階の廊下のつきあたりを右に曲がり金がかかってそうな扉が見える。あれは、理事長室? ここで気づいた、理事長は朔側だと。おれを榊田から離すのに賛成派。 「.........」 ここじゃ、おれが榊田に帰りたいって言ってもきっと洗脳されてるとか思われてしまう。不利だ、確実に。 朔から離れないと、早く、離れないと。

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