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第7話

   「やっ…ん、んっ…んぅ」    舌が口の中を蹂躙する。腕は未だに押さえつけられたまま。抵抗は、できない。    「んぁ…」    くちゅ、なんて水音が響いて、舌を入れられているのだと再確認させられた。    「ふっ…あ」    頭がぼーっとして、身体が痺れてきて。息苦しさからか目からホロホロと水が落ちてくる。  何も考えられない。    「はぁっ…はぁ」    口が離された時には酸欠になっていた。    「鼻で息するんだ、譲」    そんな甘い声で言うな、と目で訴えかけると気づいた父さんはまたにやりと笑う。    「それで?譲、俺のことどう思ってるって?」    なんで、こんなSっ気すごいの?いっつも優しい口調のくせに。    「…す、き」    でも、キスで絆された頭は言う通りに従ってしまう。恥ずかしいも嬉しいに変わっていく。    「その好きは、今したキスとかしたいって意味の好きでいいんだな?」    ぎゅっと目を瞑ると、こら、と頭を頭で小突かれた。    「いいんだな?」    父さんを直視せずに言う。    「…………うん」    「そうか。…あー安心した」    「え?」    「もし本当に冗談だったら、どうしてやろうかと思ってた」    どうしてやろうかと、思ってた…。    何をされるんだと思うと、すこし首がくすむ。だって、本気で怒ると父さんは怖い。それも静かにだ。    「もう1度言うからな」    抑えていた腕から手を離して、父さんは手をおれの頬に掌を当てた。    「譲、好きだ」    言われて、ばっと父さんに抱きついた。父さんはすこしふらついたけど、しっかりおれを抱き抱えてくれた。    嬉しい。    今は、ただそれだけで。    「…マジにしていい?」    「こんなん嘘付いても意味無いだろ」    「ドッキリとか」    「信じろ、バカ息子」    「だって!」    腕に力を込め、父さんの首元に首を埋める。父さんは苦しい苦しいとおれの背中を軽く叩いた。    「片思い歴長いんだよ!中3からだかんな!」    「へえ…?」    地雷踏んだかも。声が、意地悪げに笑ってる。    「まあ、それは後々聞くとして」    聞くんだ。    「父さんのほうが長いぞ、片思い歴」    一瞬理解出来なくて。分かった刹那顔を首元から跳ね上げた。    「は?!い、いつから?!」    「…さあ」    余裕そうな顔。なんかむっとする。    「こんな時に言葉濁すかよ普通っ!」    「……はいはい」    おれの言葉を聞いたのか聞いてないのか、父さんはおれをひょいっと肩に担ぎあげた。  高っけぇ…。父さん身長でかいもんな…、じゃなくて。    「ちょっ、と!」    そのまま何も言わず部屋へ、それも父さんの寝室にだ。  何されるのか薄々気づき始めているが、いきなりそんなことあるかとどこかで否定する自分もいる。ってか否定したい。    「ぐぇっ」    ぼふんっとベッドに適当に投げられ、蛙のような声が出る。  ベッドに放り出されたおれは逃げようと起き上がるが、すぐに父さんに後ろからのしかかられた。    「い、いきなり…?」    「既成事実だけでも作っとかないと、逃げられる気がして」    ごもっとも。確かに言葉だけでは信用できないからと、多分おれは父さんからまた距離を置くことになる。    「でも…その、準備が」    「身体の準備なら今からする」    「ちがう!心の準備!」    「さっきの告白でもう出来てたんじゃないのか?」    出来てなかった。いろいろ思うところあっての告白だから。    「とりあえず、譲」    後ろからかかる熱っぽい吐息。それに交じる声。    やば、い。勃つ。いやだめだろ。    「食わせろ」    ***    「ぁ、はぁ…」    ドロドロに溶かされた身体に、おれにのしかかる父さんは追い打ちをかけるように赤く尖った粒を舐めた。    「――っ!」    声にならない悲鳴をあげる。すると、父さんは面白そうに笑う。    「そろそろ、か」    肩で息をするおれを見兼ねて、父さんがピリピリとゴムの袋を開け始める。    今から、される、んだ。  思えば思うほど現実味が無くなっていく。え、てかまじでするの?父さんヤリ方しってるの…?うん、まあさっきから手馴れてる感すごいからしってるんだろうけど。    「そんな不安そうな顔するな」    「…だって」    「怖い?」    優しく頭を撫でられる。心地いい。    「そういうのじゃなくて…その………やっぱいい」    急に気恥ずかしくなって顔を覆う。    「こら、言いなさい」    いきなりそんな口調。まるで言わないことを許さないみたいな。    「…なんか、こう…手馴れてるっていうか」    「あぁ」    父さんは納得したかのように頷く。    「結構こういう事調べてたし」    「こ、こここ、こういう事?」    「そう。今、譲としてること。どうやったら気持ちよくなるとか。穴の慣らし方とか。ローションの使い時とか…」    顔が火照る。何調べまくってんの。    「ほら、もうちょい足開いて」    1人で恥ずかしがっていると、父さんがぐいとおれの足を開かせる。これじゃ、見えるじゃんか全部。    父さんはおれの足を開脚させると、自身のイキり勃っているそれにゴムを被せた。  卑猥なその光景に思わず息を呑む。    「や、やだ」    気づけば、拒否の言葉が出た。

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