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第12話

   唇から、舌へと。すると譲の甘い声が鼻から抜ける。    「んゃ…も、くるしっ…」    何かを言おうとする舌を絡めとり、吸う。舌の裏を擽るとぴくりの身体を 揺らした。逃げようとする舌を追いかけ、唾液をその上に乗せ飲ませようせると、今度は身体ごと離れようとするから、後頭部をぐっとこっちに近づけさせた。すると溢れ出した甘い蜜が唇から垂れた。  すこし目を開けると、閉ざされた目の端から涙が流れてきている。苦しいのだろう。  そして百合さんを横目に見ると、目が合った。    「これで、満足ですか」    口を離すと百合子さんは一気に顔を赤らめ、カバンを引っ掴んで出ていった。これであの人も懲りたと思いたい。  肩で息をする譲の額に、先程とは比べ物にならないほどの軽いキスを落とし、頬を両手で挟んでこつんと自分の額に軽めに当てる。    「明日…ちゃんと、会社で話つけてくるから」    頷きながら譲が頬ずりをしてくるから、思わず理性が飛びそうになる。どうした?と問いかけると譲がそろそろと頭を上げて、見つめてきた。頬がほんのり赤らんでいるのは化粧のせいだけじゃない。  潤んだ瞳、濡れたクチビル。    「…したい」    そこから発せられた言葉に、箍が外れた俺はそのまま譲を押し倒した。ソファーに押し付けられた譲は、どこからどう見ても女の子。暗めの茶髪に黒い目、譲の母結花子と瓜二つの容姿。もちろん結花子と重ね合わせることはしない。    折角させた女装を解いてしまうのは勿体ないが、譲のご要望通り服を剥ぐことにする。  太腿から、多めのフリルのあるキャミワンピの中に手を入れていくと、ひゃっと首をくすめ恥ずかしそうにこっちを見た。その姿に思わず酷くしてしまいそうになる。  スカートを捲りあげると軽く反応し膨らんだ下着が現れ、どうせなら女物のパンツを履かせれば良かったと今更ながら思う。  譲の手が伸びてきて、スカートを捲った俺の手を触りさわって?とお強請りをしてきた。    「煽るな。壊しそうになる」    優しく唇にキスをして、そのまま首筋に顔を寄せる。髪が当たってくすがったかったらしい、ん…と少し声を出した。鎖骨の当たりを舐め強く吸い上げる。    「ひゃっ」    尚一層舐め、片手で下着の上からそっと触れた。    

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