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第3話
『譲…誕生日成功した?』
「…成功したよ」
その後、小野山から電話がかかってきた。どうやら小野山の方はクリスマスプレゼントととして自分を差し上げたらしい。
「声、掠れてるけど?雪姫」
『お前もな。お前に関しては別人だぞ』
知っている。夜から明け方までずっと抱かれていたのだ、声が変わっても無理はない。
『俺…あいつの誕生日、違うもんにする。またこんなんされたら…死ぬ』
「あー…そっか、雪姫のほうは12月31日だっけ」
『そうそう…って、こら、触んな!やめっ…ちょっ…ひゃ…ぁっ』
起きたらしい彼氏─まぁ、おれのクラスの担任に、雪姫が襲われているらしい声が電話から漏れてきた。
『もしもし、官乃木?』
「ひっ、先生?!」
『ごめんな、雪姫がまだ欲しいって言うからちょっと借りてくな?
理人、なに人の携帯で…っ、ぁ、やだっ』
ぶつりと電話が切られ、虚しい機械音が流れる。…先生の名前、理人って言うんだ。名前呼びかぁ、学校行ったらいじってやろう。
どうやっていじろうかなーなんて考えてたらもぞもぞと後ろが動いた。そして腕が腹に回ってくる。
「譲…」
「あ、ごめん起こした?」
「大丈夫だ…あー、譲の身体に触れてたら勃った」
「変態」
身の危険を感じて逃げようとするもあえなく惨敗。結局、その日も一日喰われることになったのだった。
fin
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