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救済 〜 the Salvation 1 ※
「──ん、あぁ、あ……」
ひざまずいて胸の頂を口に含むと、頭上から淫らな声が聞こえてくる。くねらせるように腹の辺りに押しつけられたそこは、もう硬く勃ち上がり濡れそぼっていた。
幾度こうしてまぐわったかも知れないのに、まるでこれが初めてであるかのように熱を帯びた身体が震える。俺はこの行為を酷く恐れているのだ。
髪に埋められた指先が頭皮を何度も柔らかく擦っては力を緩め、名残惜しげに離れていく。子を愛おしむようなその仕草は、俺の乱れた心を幾分か鎮めてくれる。
「珠利」
名を呼ばれて顔を上げれば、美しい男の姿をした方は俺の顔をじっと見下ろしていた。その身体とは裏腹に熱の籠らない、涼やかな眼差しだ。
「おいで」
命じられるままに立ち上がり顔を寄せれば、真摯な瞳で見つめられて間近で問われる。
「私の前で、誓えるか」
それがこの方への忠誠を示唆していることは、違えようもない。
「誓います。私は、貴方を」
頭を引き寄せられ、濡れた唇が俺の戯言を塞いだ。空いた唇の隙間から舌を挿し込めば、この世界だけに成るあの実の味が流れ込んでくる。
小さな粒のぎっしりと詰まった赤く甘美な果実。あれが、この方と俺を結びつけたのだ。
組み敷いた身体がしなやかに絡みついてくるのを、しっかりと抱きとめる。匂い立つように美しい未成熟な肉体を持つこの方は、世界を司る神なのだ。
なのに俺はなんという大罪を犯してしまったのだろう。
「珠利、触って」
手を掴まれて導かれるままそこを握りしめれば、愉悦混じりの吐息が唇に掛かる。
男の象徴を扱いていくうちに、そこはビクビクと震えて先端から新たな蜜を溢れさせた。
「ん……あぁ、いいよ……」
こぼれる喘ぎ声は、この闇を淫らに染めていく。
世界の果てで、俺は神にこの魂を捧ぐ。
慈悲深き主よ。
どうか私の懺悔をお聞きください。
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