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第3話

 その日は朝から体が熱かった。ミロに「発情期が近い。部屋で大人しくしていろ」と言われレッスンは全て休みになったのだが、部屋にいても落ち着かなかった。  体が疼くのだ。ベッドに横になっていると、ミロの匂いがしてそわそわしてしまう。ミロは大事な会議があるらしく、戻るのは夕方だと言っていた。  一人で昼食を取り、再び誰もいない部屋で休む。けれど、いつも隣にあるぬくもりが感じられず胸が苦しくなった。 「ミロ……」  助けて、と無意識のうちに呟いていた。シーツを手元に寄せるが、彼のいない寂しさに泣きそうになる。会いたくて、会いたくて、恋しかった。  下半身がずくりと疼き、手をやるとすっかり勃起していることに気付いた。一度意識してしまうともう駄目だ。  まだミロが帰ってくるまでには時間がある。海翔はごくりと唾を飲み込み、衣服を脱ぎ払った。ベッドに横になり、自身を扱くとあっと言う間に高みへと昇り詰める。 「はっ、ミロ……あぁ!」  目の奥で火花が散り、手のひらに白濁を吐き出した。しかし体の熱は治まる気配がないし性器も萎えることなく上向きだ。  さらに、ペニスだけでなくお尻の方からも何かとろりとしたものが垂れてきて驚いた。恐る恐る手を這わすと、熱い粘液が指について動揺する。  導かれるようにその穴に指を入れると、ナカが熱く蠢いているのが分かった。無意識のうちに指を二本抜き差しして、じゅぶじゅぶと卑猥な音を立てていた。 「はっ、なにこれ、きもちい、あっ、ミロ! あぁぁ!」  指の動きはだんだんと激しくなり、息が上がっていく。けれど足りなかった。  何が足りないのかなんて知らないはずなのに、本能で分かっていた。  ミロが足りないのだ。  ミロに奥まで突いて欲しい。ミロが欲しい。 「カイト!!」  扉が開く気配がし、大好きな人の声が聞こえた。虚ろな目を向けると、そこには美しい人が、美しい顔を歪めながら立っていた。 「ミロ……」 「遅くなってすまない」  思い切り抱きしめられると、ふわりと甘い香りが鼻に掠める。すごく安心するミロの匂いに、たまらず彼の胸に頭を擦り寄せた。 「ミロ、好き……」 「カイト?」 「好きだ。ミロのことが、好きなんだ」  ミロの頬を撫で、衝動のままに唇を合わせた。はぁ、と甘い吐息が漏れ、舌を絡めると凄く気持ちがいい。ぞくりと体が震え、またお尻から何かが垂れてくるのを感じた。裸であるというのに恥じらいもなく、腰をミロに押し付けてしまう。 「私もカイトが好きだよ。……抱いてもいいか?」  キスの合間にそう囁かれ、この状況でも尚海翔の意志を尊重してくれることに愛しさが込み上げる。 「抱いて……。ミロが欲しい」  抱きしめたい、と思ったのに体を放されて戸惑った。するとミロは待っててとばかりに優しく頭を撫で、手早く自分の衣服を脱ぎ払った。一糸纏わぬ姿で再び抱きしめられると、先ほどよりもより密着できたことに胸が熱くなる。しっとりと汗ばんだ肌が触れ合い心地よい。太ももに硬くて熱い物が当たり、見ると彼の性器が大きく膨らんでいた。彼が興奮していることに、自分だけではないのだと嬉しくなる。  ミロの指がお尻を撫でると、既にとろとろになっている蕾は簡単に侵入を許した。 「すごい……、熱くて、蠢いてる」 「ん……、ぁ、ミロ、早く……」  指じゃなくてミロ自身が欲しいのだと、彼の腕を引いた。額にキスをされて、両足を大きく開かされる。恥ずかしい恰好だが、気にしている余裕なんてない。  そこに彼の熱いモノを宛がわれ、ふ、と息を吐くとゆっくりと熱が体内に挿入ってきた。その圧迫感に呼吸が引きつる。 「あ、ぁ…、熱い、はっ、ミロっ、ぁ!」 「はぁ…、凄いな。すごく、いい……」  予想していた痛みは全くなく、じんと痺れる様な快感が全身に広がっていった。慣らすように小刻みに体を揺らされたかと思うと、ギリギリまで引き抜かれて、次の瞬間ぐっと奥まで突き入れられる。突然の刺激に体が跳ね、甲高い声が上がった。 「っあ、ああ!!んっふ、ぁ!」  腰を抱き留められて激しい律動が始まり、唇を噛み締めても甘ったるい息が漏れてしまう。ぼんやりと霞がかったような頭で、次第に快感を追いかけることだけに夢中になる。ミロと息を合わせようと、意識せずとも腰が揺れた。 「カイ、ト。…はっ、きもちいい……」 「いいっ、ミロ。はぁっ、もっとっ、あっ!」  気持ちよすぎて、いっそ苦しい程だ。抽挿はますます激しさを増し、触れられてもいない性器からは雫が溢れて止まらない。  全身の熱が下肢に集まり、ふっと頭が真っ白になった。快楽が大きく弾けて、二人同時に熱を放つ。一瞬動きが止まるが、休む間もなくミロは海翔の体を反転させた。繋がったまま大きく動かされたせいで、刺激で内股がびくびくと震える。うつ伏せにされると、ミロの体が上に圧し掛かってくる。髪を撫でられて、うなじに熱い吐息がかかった。  そして次の瞬間、チクリと痛みが走る。今までの甘噛みとは違い、本格的に噛まれたのだと分かった。途端にうなじから熱が生まれ、じわじわと体中に広がっていくのを感じる。体の内側が蠢き、意図せずしてナカを締め付けてしまったようで、喘ぎ声とともにミロから熱いものを放たれる。  心地よい余韻とともに急激な眠気に襲われ、そこで海翔は意識を手放した――

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